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📡 Signal|Unitreeの目論見書で人型ロボットの台数と値段が並んだ——5,500台は世界最多で、家庭に届く桁ではない

上場の手前で出す目論見書に、動画からは読めなかった数字が並んだ。5,500台超、平均販売価格は2年で数分の一。ただし売っている側は「まだ探索の初期段階」と書いている。家に来る日を、他人の予想ではなく数字で測る。

📡 Signal|Unitreeの目論見書で人型ロボットの台数と値段が並んだ——5,500台は世界最多で、家庭に届く桁ではないのイメージ

この記事でわかること

  • Unitreeが8月19日に上海の科創板へ上場。中国本土の市場では初の汎用人型ロボット企業で、2025年の売上は約17億元、人型ロボットの出荷は5,500台超と伝えられている
  • 公式価格はG1が13,500ドル、R1 AIRが4,900ドル。目論見書をもとにした分析では人型の平均販売価格が2023年の約59万元から2025年1〜9月の約17万元まで下がっており、値段の下がり方は速い
  • 一方でG1は約35kg・稼働約2時間で、Unitree自身が製品ページに「限界を理解した上で」「常に十分な安全距離を」「産業はまだ探索の初期段階」と書いている。買える値段と使える道具は同じではない

8月19日、Unitree(宇树科技)が上海証券取引所の科創板に上場した。中国本土の市場では初の汎用人型ロボット企業の上場になる。バク宙する四足歩行の動画で名前だけ知られていた会社が、売上と利益を公表する義務のある会社になった、ということでもある。

生活の側から見て効くのは株価ではない。上場の手前で出す目論見書に、動画からは読めなかった数字が並んだことのほうだ。何台売れて、いくらで、誰が買っているのか。ロボットが自分の家に来る日が近いのか遠いのかを、他人の予想ではなく数字で測る材料が、はじめて手元に来た。

まず、確かめられる数字から

2025年の売上は約17億元。人型ロボットの出荷は5,500台を超え、世界で最も多いと伝えられている。

「世界一位」と「家庭に届いた」は別の話だ。5,500台は世界中の大学・研究機関・企業・イベント向けを全部合わせた数で、家に置かれた数ではない。日本の世帯数と並べれば、桁がいくつも足りない。世界最多という言葉が指しているのは、人型ロボットという分野がまだそのくらいの規模だということでもある。

株価のほうも、数字が二つ出回っているので分けておく。発行価格150.80元に対し、初日の始値は1,100元で629%高、終値は845元で460%高だった。見出しで見かける「629%」と「460%」は別の瞬間の数字で、どちらかが間違いというわけではない。そして、どちらの数字からも、ロボットが自分の家に来る日は読めない。

値段は下がっている。下がった先がどこかは別として

Unitreeの公式サイトに出ている価格は、G1が13,500ドル、R1が5,900ドル、いちばん安いR1 AIRが4,900ドル(いずれも税・送料別)。目論見書をもとにした分析によれば、人型ロボットの平均販売価格は2023年の約59万元から、2025年1〜9月には約17万元まで下がっている。研究機関向けの高額な装置だったものが、数年で数分の一になった計算になる。

ただ、買える値段になったことと、使える道具になったことは違う。同じ公式ページに、G1は身長1,320mm、重さ約35kg、稼働時間は約2時間と書いてある。充電1回で2時間しか動かない35kgの機械に、家の中で何をしてもらうのか。皿を洗う、洗濯物をたたむ、階段を上がる——どれも、この仕様表から自動的に出てくる話ではない。

安くなった順番も見ておきたい。安いほうのR1は、G1より小さく軽く、動く関節の数も少ない。値段が下がったぶん、できることも減っている。同じものが安くなったのではなく、安い別のものが出てきた、と読むほうが実態に近い。

売っている側が、自分で置いた但し書き

Unitreeは自社の製品ページに、個人で購入する人は人型ロボットの限界を十分に理解した上で判断するよう強く勧める、と書いている。さらに、構造が複雑で出力も大きいため常に十分な安全距離を保つこと、そして人型ロボット産業は世界的にまだ探索の初期段階にある、とも書いている。

第三者の批評ではなく、売る側が自分の販売ページに置いた注意書きだ。安全かどうかをここで判定するつもりはない。ただ、少なくとも「買って家に置けば今日から助かる」という前提では書かれていない。

35kgの機械が2時間動く。その周りに、子どもがいて、段差があって、猫がいる家もある。売り手が「距離を保て」と書いているものを生活空間のどこに置けるのかは、仕様表の外側にある問題になる。

待つのか、先に組み替えるのか

数字を並べると、こうなる。値段は下がり続けている。台数は増えているが、家庭に届く桁ではない。作っている側は「まだ初期段階だ」と書いている。

こういうとき、待つのは一つの選択だ。安くなって、こなれて、誰かが先に使ってからでいい。悪くない。

もう一つは、来る前提で自分の側を先に組み替えておくやり方だ。買う日を待つのではなく、自分の生活の中で「機械に渡してもいい作業」と「渡したくない作業」を先に仕分けておく。渡してもいい作業がはっきりしていれば、機械が来ない今でも、人に頼むか、道具を替えるか、そもそもやめるかを決められる。ロボットが来なくても、その仕分けは無駄にならない。

渡したくないほうも決めておきたい。料理も、庭いじりも、子どもの送り迎えも、効率だけで見れば渡せる作業に入る。渡せるからといって、渡したいとは限らない。

あなたの一日のうち、機械に渡してもいい作業はどれで、いくらまでなら払うだろうか。そして、いくら安くなっても自分の手でやりたい作業は、どれだろうか?

参照

あなたの暮らしで、最初に試せることは何でしょうか。