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米 Super Intelligence Force、対話先に消費者と宗教団体

米政府が超知能の調整組織 SIF を結成。対話相手に消費者・宗教団体を明記し、FTC 委員長らが率いる。ただし声を届ける窓口はまだない。

米 Super Intelligence Force、対話先に消費者と宗教団体のイメージ

この記事でわかること

  • トランプ大統領が 10 月 4 日、超知能の政府調整組織 SIF の結成を発表した
  • 対話相手に消費者・公益団体・宗教団体を明記し、FTC 委員長ら 4 人が率いる
  • 権限・予算・意見の窓口は未提示。定義の法案文言は 11 月 28 日が期限

トランプ米大統領は 10 月 4 日 (米東部時間の朝)、自身の Truth Social への投稿で「Super Intelligence Force (SIF)」の結成を発表した。超知能をめぐる連邦政府の取り組みを束ねる組織で、政府が対話する相手として、超知能を開発する企業と並んで消費者・公益団体・宗教団体の名前が書き込まれている。

9 月 19 日にトランプ氏は「AI Force」を作ると予告していた。その後 9 月 29 日の大統領令で、政府は AI を超知能 (SI) と呼び替えている。今回の SIF が予告の組織と同じものかは投稿に書かれていないが、今回は名前に加えて、率いる顔ぶれと報告先まで示された。一方で、消費者がどうやってその対話に加わるのかは、まだどこにも書かれていない。

投稿に書かれていた四つのこと

投稿は、9 月末の「White House Accord on Super Intelligence」を受けたものだと自ら位置づけている。世界の主要なテクノロジー企業が集まり、米国民への責任を確認した合意、という説明だ。そのうえで SIF について四つを書いている。

  • 目的: 米国が超知能で世界を先導し続けるよう、連邦政府の取り組みを調整する。あわせて米国民の利益を守り、暮らしを良くする
  • 対話の相手: 消費者、公益団体、宗教団体、重要インフラの事業者、超知能企業の五つ
  • 率いる人: 国家情報長官のジェイ・クレイトン氏、連邦取引委員会 (FTC) 委員長のアンドリュー・ファーガソン氏、研究・技術担当の戦争省次官で最高技術責任者のエミル・マイケル氏、人事管理局 (OPM) 局長のスコット・クーパー氏
  • 報告先: 大統領と、首席補佐官のスージー・ワイルズ氏

ホワイトハウスの公式 X も同じ日に投稿の一部を引用して発信した。

書かれていないことも多い。SIF にどんな権限があるのか、予算はあるのか、どの法令や大統領令にもとづくのか。対話を意見募集で行うのか、会合を開くのかも示されていない。10 月 5 日時点で、ホワイトハウスの大統領令の一覧に SIF を設置する文書は載っていない。

4 人の顔ぶれが向いている方向

率いる 4 人の所属を並べると、安全保障 (国家情報長官)、軍の技術 (戦争省)、消費者保護 (FTC)、連邦職員の人事 (OPM) になる。超知能を、国の守り、市場での取引、政府自身の働き方という三つの方向から同時に扱う構成と読める。

暮らしの側から目を引くのは FTC だ。FTC は米国で不当な取引から消費者を守る役割を担う機関で、その委員長が中に入った。対話相手の筆頭に消費者が置かれたのは、飾りの一語で終わらない余地がある。ただ、4 人のうち誰が議長役なのか、どう分担するのかは示されていない。

名簿に載ることと、声が届くこと

対話の相手として名前が挙がることと、声を届ける経路があることは別の話だ。投稿の時点で、SIF に意見を送る窓口は示されていない。仮に意見募集が始まっても、手続きは英語で、追いかけるには時間がかかる。米国外の利用者が対象に入るのかも分からない。

それでも日本の読者に無関係とは言いにくい。毎日使うチャットや翻訳の道具の多くは米国企業のものだ。企業どうしの約束 (Accord)、政府の窓口 (SIF)、消費者の声という三つの経路のうち、最後の一つだけがまだ形を持っていない。

いますぐ何かを始める必要はない。窓口が無いうちに動いても、出す先がない。手元で今日からできる最小の関与は、使っている AI サービスの利用規約やデータの扱いが改定されたときの通知を読むことくらいだ。そこまでにとどめるか、米国の手続きまで追いかけるかは、超知能の規則づくりにどこまで関わりたいかで決めればいい。

次に確かめられること

まず、ホワイトハウスの大統領令のページ (Presidential Actions) に SIF の設置文書が出るかどうか。出れば、権限と予算、対話の方法が書かれるかが分かる。投稿だけで終わるなら、SIF は調整役の看板にとどまる。

次に、9 月 29 日の大統領令 14434 が定めた期限がある。科学技術担当の大統領補佐官は、命令から 60 日以内、つまり 11 月 28 日までに、超知能の連邦の定義となる法案の文言を大統領に提出する。何を超知能と呼ぶのかが決まらないと、SIF が扱う範囲も決まらない。

もう一つは、FTC のプレスリリースの面だ。消費者向けの意見募集が最初に出るとすれば、消費者保護を担うこの機関の発表になる可能性が高い。

ことば

  • Super Intelligence Force (SIF) — 10 月 4 日に結成が発表された、超知能をめぐる連邦政府の取り組みを調整する組織。国家情報長官ら 4 人が率い、大統領と首席補佐官に報告する。権限や予算はまだ示されていない。
  • FTC (連邦取引委員会) — 米国で不当な取引や誤解を招く表示から消費者を守る独立機関。AI を使った製品の宣伝や個人データの扱いも監督の対象に入っており、今回はその委員長が SIF の一角に入った。
  • 大統領令 14434 — 9 月 29 日に出された、政府の文書で AI を「超知能 (SI)」と呼び替える命令。法律上の定義はそのままで、新しい定義の法案文言を 60 日以内に用意するよう求めている。

超知能の話し合いの席に、消費者の札が一枚置かれた。その席がいつか開いたとき、あなたなら最初に何を伝えたいか?

参照

あなたの暮らしで、最初に試せることは何でしょうか。