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DeepSeekの画像置き場は無料になった——ただし無料なのは預けることで、読ませるたびに料金は発生する

DeepSeekが画像を扱えるモデルを公開した同じ日に、画像を一度上げればIDで呼び出せるFiles APIも出した。公式アカウントは「無料で使える」と書いている。ただし料金ページを見ると、画像は読ませるたびにトークンとして課金される。無料なのは預けるところまでだ。

DeepSeekの画像置き場は無料になった——ただし無料なのは預けることで、読ませるたびに料金は発生するのイメージ

この記事でわかること

  • 「無料」がかかっているのはFiles APIに画像を預けるところまで。料金ページには、画像は寸法に応じてトークンに変換され入力トークンとして課金されると書かれている。上限は1枚384トークン
  • 画像は推論の前に自動で縮められる。小さいものは拡大され、大きいものは概ね800×800程度まで縮小されるため、2000×2000と5000×5000は同じトークン数になる。解像度を上げれば細かい字が読めるという発想は効かない
  • 「マルチモーダルのエージェント能力はOpus-4.8に近い」はDeepSeek自身が公開した記載と数値で、第三者の検証はまだ出ていない。モデル名の末尾のexpは実験版を指す

DeepSeekが8月21日、画像を扱えるモデルをAPIで公開した。同じ日に、画像を一度アップロードすればあとはIDで呼び出せるFiles APIも出している。公式アカウントはこれを「無料で使える」と書いた。個人の手元で効いてくるのは、たぶんモデルが賢くなったことより、同じ画像を毎回上げ直さなくてよくなったほうだ。ただし「無料」がどこまでかかっているかは、読んでおいたほうがいい。

「無料」がかかっているのは、預けるところまでだ

語の範囲を絞っておきたい。公式アカウントが書いているのは、画像を一度上げればIDで参照でき、送信のたびに上げ直さずに済む、その仕組みが無料で使える、ということだ。ガイドを読むと、預けられるのはJPEG・PNG・GIF・WebPで、1ファイル64MiBまで、1人あたり25GiBまたは1万ファイルまで。有効期限は1時間から30日のあいだで指定でき、指定しなければそのまま残り続ける。

料金ページのほうは別のことを書いている。この画像対応モデルに送られた画像は寸法に応じてトークンに変換され、テキストのトークンと一緒に入力トークンとして課金される、とある。ガイドによれば上限は1枚あたり384トークンだ。

つまり、預けるのは無料で、読ませるのは有料ということになる。額そのものは小さい。同系列モデルの入力はキャッシュに当たらない場合で100万トークンあたり0.22ドル(時間帯によっては0.44ドル)なので、384トークンの画像1枚を1回読ませて0.0001ドルに届かない。1万回読ませても入力側は1ドル前後だ。返ってくる文章のほうは別勘定で、こちらは100万トークンあたり0.66ドルから始まる。

だから「無料になった」で実際に減るのは料金ではなく、同じ画像を送り直す通信と手間のほうだ。

画像は勝手に縮む。これは精度の話より先に来る

ガイドには、画像は推論の前に自動でリサイズされると書かれている。おおよそ384×384より小さいものは拡大され、大きいものは縦横比を保ったまま800×800程度まで縮められる。

ここから出てくる帰結が一つある。2000×2000の画像と5000×5000の画像は、縮んだあとでは同じトークン数になる。高い解像度で撮っておけば細かいところまで読ませられる、という考え方が、この段階で効かなくなる。

手元の作業に置き換えると、失敗する場面のほうが具体的だ。小さい字がびっしり入った説明書、値札の隅の表示、手書きのメモ、図面の寸法。1枚まるごと撮って読ませるより、読ませたい部分を分けて撮るほうが現実的になる。撮り方の問題であって、モデルの賢さでは埋まらない。

枠もいくつかある。1回のやり取りに入れられる画像は600枚まで。直接埋め込む場合は1枚32MiBだが、IDで渡すと64MiBまで通る。画像を置けるのは利用者側の発言だけで、システム側や応答側に入れるとエラーが返る。

預けるほうにも上限がある。25GiB・1万ファイルで、期限を指定しなければ消えない。置き場が無料だと「とりあえず全部上げておく」に傾きやすいが、そこは自分で決めておかないと溜まる一方になる。

「Opus-4.8に近い」は、誰が測った数字なのか

変更履歴には、純テキストの能力は正式版と同等で、視覚的な理解を要するエージェントのベンチマークでは大きく前進し、マルチモーダルのエージェント能力はOpus-4.8に近いところまで来た、と書かれている。数値も並んでいて、Terminal Bench 2.1が83.9、Chartographyが64.3、ZeroBench(Pass@5)が35.0といった具合だ。

これらはDeepSeek自身が公開した記載と数値で、第三者による検証はまだ出ていない。加えて、モデル名の末尾についているexpは実験版を意味する。仕様や挙動が変わりうる段階にある、ということだ。

数字を疑う理由も、そのまま自分の作業の成績として受け取る理由も、いまはない。ベンチマークで測られているのはベンチマークの課題で、手元の画像が読めるかどうかとは別に確かめるしかない。

自分の手元の、どれが「毎回上げ直し」なのか

預ける仕組みが効くかどうかは、性能ではなく使い方の形で決まる。

一度読ませて終わりの画像なら、恩恵はほとんど無い。その場で送れば足りる。効いてくるのは、同じ1枚に何度も違うことを聞く使い方のほうだ。機材の説明書、道具のラベル、栽培や修理の記録写真、図面。同じ画像を、時期をまたいで何度も参照する作業がこれに当たる。

そのうえで、決めておくことが二つある。一つは回数のほう。預けるのが無料でも読ませるたびに料金は乗るので、増えるのは保管量ではなく参照回数だ。もう一つは期限のほう。指定しなければ残り続けるので、消す運びを最初に決めておかないと、無料の置き場が整理されない置き場になる。

そして肝心なのは、預けるのが無料になっても、上げ直す手間が減るだけで、何を読ませるかは変わらないという点だ。

あなたの手元で、同じ画像を何度も上げ直している作業はどれだろうか?

参照

あなたの暮らしで、最初に試せることは何でしょうか。