厚生労働省は9月15日、全国の100歳以上の高齢者が9月1日時点で10万7,677人になったと発表した。前年から7,914人増え、初めて10万人を超えた。
1963年には153人だった数だ。長く生きる可能性を、住まいや仕事や人とのつながりの計画にどこまで織り込むか。その問いが、少し手前に来ている。
10万7,677人の内訳
厚労省によると、10万7,677人のうち女性が9万4,298人、男性が1万3,379人。女性が87.6%を占める。前年からの増え方も女性が6,514人、男性が1,400人で、増えた分の大半が女性だった。
今年度中に100歳になる、またはなる見込みの人は5万4,294人で、前年度より1,984人多い。10万人を超えた数は、来年以降も後ろから押し上げられていく。
5万人から10万人まで14年
厚労省の発表では、100歳以上は1981年に1,000人、1998年に1万人、2012年に5万人を超えた。5万人から倍になるまでに14年しかかかっていない。
それでも、人口に占める割合で見ればまだ小さい。日本経済新聞によると、人口10万人あたりの100歳以上は87.51人。1,000人に1人に届かない。
長寿が誰にとっても当たり前になった、とは言えない。100歳まで生きる人が、確実に、速く増えている。数字に近いのはこちらだ。
分からない長さを、どう計画に入れるか
何歳まで生きるかは、誰にも分からない。分からないものを計画に入れるとき、置き方は大きく二つに分かれる。平均的な寿命を目安に組み、長くなったら見直すか。100歳前後まで生きても崩れにくい形を、先に作っておくか。
長い側に備えるほど、コストは先に来る。段差の少ない住まいや、ひとりでも回せる広さへの住み替えは、今のお金と手間を使う。60代以降も続けられる仕事の技能を学び直すなら、今の時間を使う。逆に目安どおりに組んで長く生きた場合、足りない分をあとから一度に埋めるのは難しい。どちらにも失敗の形がある。
女性が9割近いという内訳も、前提に関わる。二人で暮らしている家なら、どちらかがひとりで暮らす年月をどれくらいの長さで見込むか。頼れる人や近所との関係は、お金と違って、必要になった時にまとめて用意しにくい。
まだ分からないこともある。100歳以上の人がどんな体の状態で、誰とどう暮らしているかは、この人数からは読み取れない。10万人という数が教えてくれるのは、長く生きる人が増えているという事実までだ。
取れる置き方はいくつかある。
- 平均的な寿命を目安に組み、節目ごとに見直す
- 住まいと収入の手当てを、長く生きた場合に合わせて先に厚くする
- お金の計画より先に、頼れる人やつながりに時間を使う
ことば
- 老人の日 — 老人福祉法が定める9月15日。国は1963年から、この日の記念行事として100歳を迎える人に内閣総理大臣のお祝い状と記念品を贈っており、100歳以上の人数もこれに合わせて公表される。
- 百歳高齢者表彰 — その年度中に100歳になる、またはなる見込みで、老人の日に存命の人が対象。記念品は銀杯で、2026年度の対象は5万4,294人と前年度より1,984人増えた。
あなたはいま、何歳まで生きる前提で暮らしを組んでいるだろうか?