暗号資産取引所の CoinEx が、取引所の営業を段階的に終える。9月15日に新規登録を止め、29日に現物取引を終了し、出金は日本時間12月22日午前11時で締め切る。
取引所の口座は、置いた資産をいつでも出せる場所に見える。閉じるときは一度に止まるのではなく、できることが日付ごとに減っていく。
CoinEx で何が、いつ止まるか
9月14日付の公式告知によると、2017年12月の創業から約9年続いた取引所は、次の順で止まる。
- 9月15日: 新規登録と紹介報酬を停止。先物は建玉を減らす・閉じる注文だけを受け付ける状態に移り、証拠金取引・貸付・運用商品も新規の申し込みを止めた
- 9月22日: 現物以外のサービスを終了。ブロックチェーン経由の入金も止まる (独自トークン CET だけは29日まで)
- 9月29日: 現物取引を終了。USDT 以外の資産の処理に入り、CET は1枚0.005 USDTで買い取る。自社チェーンの CoinEx Smart Chain と交換プロトコル OneSwap も停止する
- 12月22日午前11時 (日本時間): 出金期間の終了
理由として CoinEx は、相場の長い低迷、取引量と流動性の縮小、主要な地域で強まる規制要件とコンプライアンス費用を挙げた。準備率は100%を超えており、利用者の資産は全額裏付けられていると説明している。
期限は12月22日だけではない
最終期限だけを見ると、まだ3か月ある。ただ、持っている銘柄のまま受け取りたいなら、公式告知が示す期限は日本時間9月29日午前11時だ。それを過ぎると、USDT 以外の資産は取引所側での処理に回る。
12月22日を過ぎて残った資産は保管に移され、出金期間の終わりに記録された残高の5%にあたる保管手数料が毎月かかる。請求できる期限は2028年8月22日。手数料は当初の残高を基準にするので、10か月で残高の半分にあたる額になる。
公式告知は、CoinEx を名乗る「新しい告知」を信じず、情報は公式サイトだけで確かめるよう求めている。期限に追われて出金する時ほど、リンク先を確かめる手間は飛ばしやすい。
なお、金融庁の暗号資産交換業者登録一覧 (2026年9月1日現在・27業者) に CoinEx の名前はない。
置いたままの資産を、どこへ移すか
移し先は大きく二つに分かれる。
- 別の取引所に移す: 受け取る側がその銘柄と送金ネットワークに対応しているかを先に確かめる。対応していない組み合わせで送ると、戻らないことがある
- 自分で鍵を管理するウォレットに移す: 取引所の都合で出金が止まる心配はなくなる。代わりに、復元用のフレーズを失えば誰にも取り戻せない
どちらにも出金の手数料がかかり、銘柄の数だけ手間が増える。少額を一度送って届いたのを確かめてから残りを送るやり方は、時間はかかるが、送り先の間違いを早く見つけられる。
CoinEx Wallet と CoinEx Vault は取引所とは別の事業として、そのまま続くと告知されている。
今回の閉鎖に関係がなくても、問いは残る。自分の資産が、いまいくつの場所に分かれて置かれていて、そのうちどれが自分の手で出せないものか。
ことば
- 減少専用モード (Reduce-Only) — 先物で新しい建玉を増やす注文を受け付けず、今ある建玉を減らすか閉じる注文だけを通す状態。CoinEx は告知の翌日にこの状態へ切り替え、22日の終了より前に新しい取引を止めた。
- 準備率 — 取引所が預かっている利用者の資産に対し、実際に持っている資産の割合。100%を超えていれば全額を払い戻せる計算になるが、この数字は取引所自身の開示にもとづく。
- 暗号資産交換業者 — 日本で暗号資産の売買や交換を業として行うのに、金融庁・財務局への登録が必要な事業者。登録一覧は金融庁が公開しており、2026年9月1日現在で27業者が載っている。
あなたの暗号資産は、いまどこに置かれているか、すぐに言えるだろうか?