Apple が9月9日、初の折りたたみ型となる iPhone Duo を発表した。閉じた状態で5.4インチ、開くと7.6インチ。国内価格は256GBで364,800円(税込)、予約は10月16日午後9時(日本時間)から、発売は10月23日。日本を含む70以上の国と地域で売られる。
同じ日に出た数字のうち、いちばん生活に近いのは価格ではなく電池だ。外側の画面だけを使えばビデオ再生は最大44時間、内側の大きい画面だけなら31時間、両方を同じくらい使うと24時間になる。持ち方によって一日のもち方が変わる iPhone は、これが初めてになる。
畳んだ画面をもう一枚持つことが、暮らしの何を変えるのか。発表の資料から確かめられる範囲で見ていく。
開いた側と閉じた側で、電池の減り方が違う
44時間と31時間の差は、単なる仕様の並びではない。外側だけで済む用事(通知を見る、返信する、地図を確認する、音楽を送る)をどれだけ外側で終えられるかが、そのまま電池のもちに出るということだ。
つまりこの端末は、開く回数が使用量になる。今までのスマートフォンでは画面を点けた時間が電池を決めていたが、ここでは「どちらの画面で済ませたか」が決める。充電は有線で約20分、ワイヤレスで約30分で50%まで戻る仕様なので、切れたあとの回復は速い。ただし回復が速いことと、開くたびに減ることは別の話だ。
二つのアプリを並べられるのは、iPhone では初めてになる
内側の7.6インチでは、iOS 27 が二つのアプリを左右に並べる Split View に対応する。Apple はこれを iPhone で初めてと説明している。折りたたみ方に応じて表示が組み替わり、端末を回すと向きも作り直される。Dynamic Island は縦向きに設計し直された。
ここで変わるのは画面の広さより、作業を持ち替える回数だ。資料を見ながら書く、地図を見ながら連絡する、動画を流しながら調べる。これまで机の上の別の道具に渡していた用事が、手の中で完結する側に移る。逆に言えば、その用事を今まで別の道具でやっていて不便を感じていない人には、増える画面のぶんだけ荷物が重くなるだけになる。
両方の画面とも Super Retina XDR で最大3,000ニト、ProMotion と常時表示に対応する。内側には映り込みを抑えるナノテクスチャ仕上げが入る。
折りたたみで気になる部分は、まだ公表されていない
耐久まわりで公表されているのは、100点を超える部品で構成したというヒンジ、グレード5チタニウムのフレーム、前面のセラミックシールド2(傷への強さが3倍とされる)、そして最大水深6メートルで30分の IP68 だ。カメラは48メガピクセルの Fusion に2倍の光学望遠、48メガピクセルの超広角、内側は画面下に収めた FaceTime カメラという構成になる。
一方で、折りたたみ端末を長く使ううえで多くの人が気にする点は、この資料からは読み取れない。折り目がどれくらい見えるのか、ヒンジが何回の開閉に耐えるのか、重さと厚さが何グラム・何ミリなのか。いずれも数値としては出ていない。防水等級は閉じた状態と開いた状態で条件が変わりうるが、そこも分けて書かれていない。
これは隠されているという話ではなく、発表時点の資料には載らない種類の情報だという話だ。実機が出回るまで確かめようがない。
予約の前に、自分の側で決めておくこと
364,800円は、256GBの構成で、36回払いなら月10,133円になる。純正ケースは14,800円、フォリオは24,800円で、折りたたみ用のケースは他機種のものを流用できない。
そのうえで、決めておくと後悔が減るのは次の点になる。ひとつ、外側の5.4インチで一日の用事の何割が終わるか。ここが多い人ほど電池の利点を受け取れて、少ない人ほど24時間側の数字で暮らすことになる。ふたつ、二つのアプリを並べたい場面が実際に週何回あるか。思い出せないなら、その機能に上乗せぶんを払っている。みっつ、折り目と耐久が分からないまま初期ロットを買うか、数か月待って実際に使われた記録を見てから決めるか。
Apple の John Ternus 最高経営責任者は、iPhone Duo を初代 iPhone 以来もっとも大きな変化だと表現している。それが自分の一日にとっても大きな変化なのかどうかは、この価格帯では発表資料ではなく手の中で決まる。予約開始まで、まだ一か月ある。
あなたが今日いちばん多く触った画面は、5.4インチで足りていただろうか?