10月1日、国民年金に「育児期間の保険料免除」が始まった。フリーランス、自営業者、農業者など国民年金の第1号被保険者は、子が1歳になるまで保険料が免除され、その期間は納付したものとして将来の年金額に入る。厚生労働省は10月19日、公式 X でこの制度をあらためて告知した。
会社員には以前から育児休業中の社会保険料の免除があり、自分で保険料を納める働き方の親には同じ仕組みが無かった。所得の審査も無い。令和8年度の保険料は月1万7920円なので、12か月分なら21万5040円にあたる。
誰が、いつからいつまで
日本年金機構によると、対象は1歳未満の子を育てる第1号被保険者の実父母と養父母だ。子と親子関係があり、同じ住所に住んでいることが条件になる。父母がともに第1号被保険者なら、2人とも対象になる。特別養子縁組の監護期間にある子や、養子縁組里親に委託されている子なども含まれる。
期間は親の立場で分かれる。
- 実父・養父母 (産前産後の免除を使っていない実母を含む): 子を育てることになった月から、1歳の誕生日の前月まで。最大12か月
- 実母: 出産前後の4か月ほどを対象にした「産前産後免除」が先にあり、その後に続く9か月
機構の例では、出産日が2027年5月1日なら、実父の免除は2027年5月から2028年4月まで。出産予定日が同じ日の実母は、2027年8月から2028年4月までが育児免除になる。
10月より前に生まれ、制度が始まった時点で1歳未満の子にも使える。ただし対象は10月以降の分だけだ。2026年1月1日生まれの子なら、10月から12月の3か月になる。
届け出は、するのか、しないのか
実母で、産前産後免除の期間が9月以降に終わり、その後も子を育てていると機構が確認できた人には、届け出なしで「国民年金保険料育児免除該当通知書」が届く。
それ以外の人、つまり実父、養父母、産前産後免除を届け出ていない実母は、自分で届け出る必要がある。様式は「国民年金産前産後免除該当届/育児免除該当・終了届」で、住民登録をしている市区町村の国民年金の窓口に出す。郵送でもよく、マイナポータルから電子申請もできる。親子関係と同じ住所であることの書類は原則いらない。
手間は小さいが、気づかなければ使われないまま過ぎる。対象になるのは子が1歳になるまでの月だけで、期間は待ってくれない。
すでに払った人、前納している人
すでに保険料を納めた月も、届け出れば育児免除の期間として扱われ、納めた保険料は他の月に充てられるか、返ってくる。通常の免除や納付猶予、学生納付特例の承認を受けていた月も、届け出で育児免除に切り替わる。
口座振替やクレジットカードで前納している人は、免除が終わった後に振替の方法が変わることがあると機構は書いている。前納している人は、年金事務所で一度確かめておくと手戻りが少ない。
月400円の付加保険料は、育児免除の間も納められる。
対象にならない人
会社員や公務員 (第2号被保険者) は、厚生年金の側に別の免除制度がある。会社員の配偶者に扶養される第3号被保険者と、任意加入の人は、この制度の対象外だ。
夫婦の片方が会社員、もう片方がフリーランスなら、フリーランスの側だけがこの制度を使うことになる。働き方を切り替える時期に子が生まれる家庭では、どの月にどちらの被保険者だったかで、使える制度が変わる。
ことば
- 第1号被保険者 — 自営業者、フリーランス、農業者、学生など、国民年金の保険料を自分で納める人。会社員の厚生年金のような給与天引きが無く、育児期の負担がこれまで丸ごと自分にかかっていた。
- 産前産後免除 — 国民年金の第1号被保険者が出産する前後の期間、保険料が免除される制度。今回の育児免除は、実母についてはこの期間の終わりから続く形で設計されている。
次に確かめられるのは、住民登録をしている市区町村の国民年金窓口か、マイナポータルの電子申請の画面だ。実母で産前産後免除を届け出た人は、免除の終わりの月の後に機構から届く通知書の有無を見ておけばいい。
子が1歳になるまでの1年、自分の働き方と届け出の状況は、制度の側から見えているだろうか?

