EcoFlow は11月4日、新しいポータブル電源「DELTA Gen4」シリーズを公式 X で世界に向けて紹介した。日本ではそれに先立ち、容量3,072Wh の DELTA 3000 Gen4 と3,763Wh の DELTA 3800 Gen4 が10月30日に発売されている。
2台とも定格出力は3,000W で、日本法人は3000 Gen4 を2〜4人世帯の日常使いと停電対策向けとしている。冷蔵庫を長く動かす専用のモードまで備えた電源を、家の備えとしてどう見積もればいいかを考える。
2機種の数字
日本法人の発表資料と製品ページ、公式ブログから主な数字を拾う。
- 容量: 3000 Gen4 は3,072Wh、3800 Gen4 は3,763Wh
- 定格出力: どちらも3,000W
- 重さ: 約26kg と約30.6kg
- 太陽光の入力: 最大1,000W と最大2,000W
- 壁のコンセントからの充電: 満充電まで約2.3時間と約2.8時間
- 増設: 3000 Gen4 はできない。3800 Gen4 は別売りの電池をつないで最大11,955Wh (製品ページの仕様欄の値で、本文には「最大11.8kWh」ともある)
- 電池: リン酸鉄リチウム (LFP)
- 停電時の切り替え: 0.01秒以内
- 保証: 標準3年。アプリで製品を登録すると2年延びて5年
同じ容量と出力の前の世代より、体積は約50%小さいとする。価格は発表資料には書かれていない。
冷蔵庫のモードと、その条件
目玉は「冷蔵庫ランタイムブースト」と呼ぶモードだ。冷蔵庫への給電を最適化し、同じ容量帯の業界平均と比べて、3000 Gen4 で約20%、3800 Gen4 で約42%長く冷蔵庫を動かせると同社は説明する。
ただし試験の条件は、中身を入れていない654リットルの冷蔵庫だ。食品を詰めた冷蔵庫や、扉を何度も開ける実際の台所では結果が変わる。同社も、つなぐ機器や使い方、環境で変わると断っている。
もう一つ、荒れた天気の予報が出ると自動で充電を始める「Storm Guard」も備える。台風の前日に満充電にし忘れる、という失敗を減らす仕組みだ。
3kWh の電気はどこで減るか
製品ページは、10W の Wi-Fi ルーターなら295時間、40W の扇風機なら79.6時間という目安を載せている。どちらの機種で測った値かは書かれていない。
見落としやすいのは電源そのものが使う電気だ。何もつながずに AC 出力を入れたままにすると14W を使う。単純な計算で1日に約340Wh、3000 Gen4 の容量の1割を超える。長い停電で電気を持たせたいなら、使わない間は AC 出力を切る段取りが要る。電源を入れただけの待機は3W だ。
約26kg の重さは、片手で持ち運ぶものではない。停電の夜にどこに置き、どの家電とつなぐかは、先に決めておくほうがいい。11月4日に米国で発売された BLUETTI の Apex 200 (2.56kWh・約27kg) が電池を足して容量を増やす作りなのに対し、3000 Gen4 は増設できない代わりに1台で完結させる作りで、どちらが合うかは家の事情で分かれる。
次に確かめるのは、EcoFlow の世界向けサイトに載る DELTA Gen4 の仕様が、日本向けの2機種と同じかどうかだ。
ことば
- 定格出力 — 電源が連続して出し続けられる電力の大きさ。つないだ家電の消費電力の合計がこれを超えると動かせない。どれだけの時間使えるかは、別に容量 (Wh) で決まる。
- 無負荷時の消費電力 — AC 出力を入れたまま何もつながないときに、電源自身が使う電力。DELTA Gen4 は14W で、何日も続く停電では無視できない量になる。
停電の夜、あなたの家で冷蔵庫の次に電気を回したいものは何だろうか?
