ポータブル電源の BLUETTI は、容量288Wh・重さ約3.3kg の新製品「Elite 30 mini」を、米国時間10月28日午後7時(日本時間29日午前11時)に発売すると告知した。米国の公式ストアの製品ページでは、価格を249.99ドルと表示している。
同社が打ち出すのは「毎日持ち歩く個人用の電源」という位置づけだ。停電に備えて押し入れにしまう大型の電源と、カバンに入れるモバイルバッテリーのあいだに置かれる製品で、どちらの使い方に寄せるかで向き不向きが変わる。
288Wh・300W・3.3kg という大きさ
製品ページに並ぶ主な仕様は次のとおりだ。
- 容量288Wh、電池はリン酸鉄リチウム(LiFePO₄)、容量70%までの充放電は6,000回以上
- AC 出力は定格300W、出力を絞って600Wまでの機器を動かす機能(Power Lifting)に対応
- 出力ポートは7つ。巻き取り式の140W USB-C ケーブルを内蔵し、ほかに AC コンセント、140W と15W の USB-C、USB-A、シガーソケットを備える
- 本体は約3.3kg、161×130×207.5mm
- 充電は AC・ソーラー・USB-C・車・同社の充電器 Charger 1 の5通り。AC とソーラーの同時充電は合計380W まで
充電の速さは、機器に給電しながら充電するパススルー充電の項目で、46分で80%、103分で満充電とされている。保証は3年。
停電のとき、何をどれだけ動かせるか
同社は、Wi-Fi ルーターやパソコンをつないでおけば、停電の瞬間に10ミリ秒以内で電池からの給電に切り替わる UPS 機能を備えるとしている。動かせる機器の例として挙げるのは、ノートパソコン、スマートフォン、タブレット、カメラ、ドローン、Wi-Fi ルーター、照明、小型の扇風機だ。
目安を持つために単純計算をしてみる。消費電力10W のルーターなら、288Wh で約28時間。実際には電力の変換で失う分があるので、これより短くなる。ノートパソコンを充電しながら使い、照明とスマートフォンもつなぐと、もつ時間はそのぶん縮む。
逆に、定格300W では動かせない機器ははっきりしている。電子レンジや電気ケトル、ドライヤーのように1,000W を超えることが多い家電は、この電源の守備範囲の外だ。冷蔵庫を数日動かす、家全体を支えるといった用途は、より大きな容量の製品の話になる。
持ち歩く電源と、備える電源の境界
3.3kg は、毎日カバンに入れるには重い。一方で、仕事場や車に置いておき、必要なときに持ち出す重さとしては現実的だ。ナイロン製のストラップが付き、肩掛けのストラップは別売りになっている。
もうひとつの条件は、これが米国向けの発表だという点だ。製品ページの AC 出力は120V・50/60Hz の仕様で、日本向けの発売時期や価格は、今回の告知と製品ページには示されていない。円での価格や日本の家電との組み合わせを考えるなら、日本向けの製品が出るかどうかを待つことになる。
次に見ておきたいのは、日本時間29日午前11時の発売後に更新される BLUETTI 公式ストアの製品ページと、同社の日本向け公式サイトに Elite 30 mini が載るかどうかだ。
ことば
- UPS(無停電電源装置)機能 — コンセントからの電気が止まったとき、つないだ機器への給電を自動で電池に切り替える仕組み。切り替えが速いほど、ルーターやパソコンが落ちずに済む。
- リン酸鉄リチウム電池(LiFePO₄) — リチウムイオン電池の一種で、繰り返しの充放電に強いとされる。ポータブル電源で広く使われ、今回の製品は6,000回以上の充放電後も容量70%を保つとしている。
停電の夜にこの電源が手元にあったら、あなたは何をつなぐだろうか?