BLUETTI JAPAN は11月5日、容量288Wh・重さ約3.3kg のポータブル電源 AORA 30 mini の予約を始めた。希望小売価格は税込3万8,653円で、発売は11月9日と報じられている。10月に米国で同じ容量と寸法の Elite 30 mini が出た際には日本向けの予定が見えなかったが、AORA の名前で日本向けが出た形だ。
同社は今回、ペットと一緒に避難するときの備えという用途を前に出している。3.3kg の電源で何が動き、何が動かないのかを、日本向けの数字で見直す。
日本向けに示された数字
プレスリリースの主な仕様は次のとおりだ。
- 容量288Wh、電池はリン酸鉄リチウムイオン、容量70%までの充放電は6,000回以上
- 定格出力300W、電力リフト機能で600Wまで対応
- 出力ポートは AC、USB-C、USB-A、シガーソケットなど合計7個で、140W の USB-C ケーブルを内蔵
- 約3.3kg、161×130×207.5mm
- AC 入力で80%まで約46分
予約と販売は公式サイトと公式の Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングの店で、12月4日までの購入には肩掛けのストラップが付く。発表会を取材した onesuite は、公式ストアの発売記念の価格を税込2万8,990円と伝えている。値引きの期限は確認できなかったので、買う前に店の表示を見ておきたい。
何がどれだけ動くのか
onesuite が伝える使用の目安は、10W の小型ファンで約28.8時間、LED ライトで約90時間、スマートフォンの充電で約19回、60Wh のノートパソコンで約5回だ。発表会では2合炊きの炊飯器も動かしてみせたという。
目安は上限に近い数字と考えたほうがいい。288Wh を10W で割ると28.8時間になるので、変換で失う電気の分だけ実際は短くなる。電力リフトは、定格を超える機器を出力を絞って動かす機能なので、機器によっては動きが弱くなったり動かなかったりする。ドライヤーや電子レンジのように1,000W を超えることが多い家電は、この電源の守備範囲の外だ。
ペット防災という打ち出しの中身
リリースは能登半島地震の後の調査を引き、119か所の避難所のうち56か所でペットの同行避難が確認された一方、新たにペットを連れた人が来たときに屋内で飼えるスペースが「ある」と答えた避難所は15%にとどまったと書く。調査の実施主体はリリースに明記がない。鳴き声やストレスを理由に、自宅や車に移るケースもあったという。
車や自宅で過ごすなら、電源の出番はある。ただし288Wh でまかなえるのは、小型ファン、照明、スマートフォン、ペットの様子を見るカメラのように消費の小さい機器までだ。エアコンを長く動かして暑さ寒さをしのぐ用途には足りない。動物の体調に関わる判断は、電源の容量だけでは決められない。
持ち出す側の負担もある。キャリーと水と餌に3.3kg が加わる重さを、実際に持って試しておく価値はある。ときどき残量を見て充電しておくこと、車に置きっぱなしにしてよい温度かを説明書で確かめることも、備えの一部になる。
保証の年数と AC の仕様は、今回読めた資料では確認できなかった。次に開くのは、11月9日の発売後の BLUETTI 公式サイトの製品ページだ。保証の年数と販売価格を確かめたい。
ことば
- 電力リフト — 定格を超える機器を、出力を絞って動かす機能。ヒーターのように出力を下げても動く機器に向き、モーターや精密な制御を使う機器では動かないこともある。
- リン酸鉄リチウムイオン電池 — リチウムイオン電池の一種で、繰り返しの充放電に強いとされ、ポータブル電源で広く使われる。今回は6,000回以上の充放電後も容量70%を保つとしている。
避難のときに持って出る荷物の中に、3.3kg を足す余地はあるだろうか?


