太陽光発電システムの設計・施工を手がけるエクソル (XSOL) は10月14日、エリーパワーの家庭用蓄電システム「POWER iE Connect」の取り扱いを始めると発表した。販売店向けのシステムへの登録を11月下旬に始め、販売は2027年1月初旬からの予定だ。
蓄電池ユニットに新しく10.7kWh が加わり、容量は4通りから選べるようになった。屋根の太陽光を昼に使い切れない家、停電の夜に備えたい家にとって、どの大きさを選ぶかは「何をどれだけ動かしたいか」の裏返しになる。選ぶ前に知っておきたい数字と条件を、発表の範囲で並べる。
6.4kWh から 17.1kWh までの4通り
蓄電池ユニットは6.4kWh と10.7kWh の2種類で、組み合わせると次の4通りになる。
- 6.4kWh (6.4kWh を1台)
- 10.7kWh (10.7kWh を1台)
- 12.8kWh (6.4kWh を2台)
- 17.1kWh (6.4kWh と10.7kWh を1台ずつ)
あとから蓄電池ユニットを足すことも、電気自動車 (EV) とつなぐ V2H スタンドを足すこともできる。最初は小さく入れて、EV に乗り換える時に広げる、という順番も取れる。
エリーパワーが2024年にこの製品を出した時の資料では、太陽光の電気を蓄電池と EV に同時にためられ、停電の時は蓄電池からも、V2H スタンドを通じて EV からも家に電気を送れるとしている。停電時に家へ出せる電気は、当時の構成で3.0kVA と6.0kVA の2段階で、100V と200V の両方に対応していた。新しい10.7kWh の構成でどうなるかは、今回の発表には書かれていない。
22,000サイクルと20年保証の読み方
エクソルが前面に出しているのは寿命だ。22,000回の充放電を繰り返したあとも電池容量の60%を保つとしている。ただし、これはエリーパワーの試験条件での目安で、回数を保証するものではないと注記がある。1日1回の充放電なら、22,000回は60年分を超える計算になる (編集部の計算)。実際の寿命は、設置場所の気温や使い方で変わる。
保証は3つに分かれている。
- 蓄電システムに15年のメーカー保証
- 電池容量60%を20年保証する長期容量保証。条件を満たせば蓄電池ユニットを無償で交換する。遠隔見守りの「ごあんしんサービス」への登録と、システムをインターネットにつないでおくことが条件
- 16年目から20年目までを延ばす、エクソルの有償の延長保証
20年の容量保証を受けるには、家のネット回線につなぎ続ける必要がある、ということだ。見守りサービスとクラウドのアプリは無償で使える。台風や大雨の予報に合わせて前もって充電しておく機能もあるが、こちらは別のサービスへの申し込みが要る。
入れる前に確かめておくこと
まず価格だ。今回の発表には価格が載っていない。容量と工事の内容で総額は大きく変わるため、販売店の見積もりを取るまで比べられない。
次に置き場所。屋外に置く機器で、マイナス20℃の寒冷地にも対応する。海岸から300m 以内の地域には、潮風に強い仕様を選べる。逆に言えば、家の外に蓄電池ユニットやパワーコンディショナ、EV をつなぐなら V2H スタンドを置く場所が要る。
そして、何を備えたいのか。昼の太陽光を夜に回すのが目的なら、夜に使う電気の量が目安になる。停電への備えが目的なら、冷蔵庫や照明、通信機器など止めたくない機器を挙げて、何時間もたせたいかを先に決めておくと、4通りのどれが合うかが絞れる。
次に確かめる先は、エクソルの発表ページに付いたニュースリリースの PDF と、2027年1月の販売開始に向けて販売店が出す見積もりだ。新しい10.7kWh の構成で停電時にどこまで出せるのかは、エリーパワーの製品ページの仕様表で確かめたい。
ことば
- V2H — Vehicle to Home の略。電気自動車にためた電気を家で使ったり、家の太陽光や蓄電池から電気自動車に充電したりする仕組み。車の大きな電池を、家の非常用電源として使える。
- パワーコンディショナ — 太陽光パネルや蓄電池がつくる直流の電気を、家で使える交流に変える装置。蓄電システムではこれが、充電と放電、停電時の切り替えも受け持つ。
あなたの家で、停電の夜に止めたくない機器はどれで、それを何時間もたせたいだろうか?