パナソニック エレクトリックワークスは、家庭の電気の使い方をまとめて管理する HEMS の中核機器「AiSEG3」を、2027年1月25日にバージョンアップする。目玉は、パナソニック製以外の蓄電池についても、充電量と放電量を制御できるようになることだ。
パナソニック ニュースルーム (2026年10月1日・AiSEG3 を2027年1月25日にバージョンアップ・他社製蓄電池の制御・GX ZEH・対応メーカーは2027年1月公開予定・相談窓口)Panasonic Newsroom Japan : パナソニック ニュースルーム ジャパン
屋根の太陽光と壁ぎわの蓄電池が別々のメーカーでも、充電と放電の量を AiSEG3 から決められるようにする更新だ。ただし、どのメーカーの蓄電池が対象になるかは、まだ発表されていない。
背景は2027年4月からの新しい省エネ住宅の基準
同社は理由として、国の新しい省エネ住宅の基準を挙げている。経済産業省は2027年4月以降、いまの ZEH (ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス) の基準を引き上げ、戸建て向けの GX ZEH と集合住宅向けの GX ZEH-M を適用する予定だ。
この新基準では、断熱や省エネの性能に加えて、HEMS で太陽光の発電量などをつかみ、冷暖房や給湯を制御できること、さらに蓄電池の充電量・放電量を制御できることが求められる。HEMS と定置型の蓄電池の設置が必須の条件になり、HEMS と蓄電池の組み合わせが基準を満たすかどうかに直結する。蓄電池を他社製から選べるようにする狙いは、ここにある。
更新で増えること
2027年1月のバージョンアップで加わるおもな機能は次のとおりだ。
- パナソニック製以外の蓄電池の充電量・放電量の制御
- 蓄電池と電気自動車の充放電の履歴を、本体の画面とスマホアプリ「AiSEGアプリ」で確認
- 太陽光の売電単価が5年目に下がる仕組み (2段階FIT) で、FIT 開始から4年がたつ2週間前と、2段階目の単価に切り替わるときに通知
- 複数の機器をまとめて動かすシーン制御の強化。蓄電池やエコキュートがない家でも、余った電気でエアコンを動かせる
- アプリの電力グラフに月と年の表示を追加
- 後付けできる電池式のスマートロックとの連携。鍵の閉め忘れをスマホに知らせ、外出先から施錠できる
これに先立ち、2026年10月21日には、回路ごとの電気の使用量をグラフで見られるようになる。
たとえば冷房の季節なら、帰宅前に昼の余った電気でエアコンを動かしておく、という使い方を同社は例に挙げている。蓄電池を持たない家にとっても、余った電気を売るか家で使うかを選ぶ手段が一つ増える。
自分の家の蓄電池が対象かは、2027年1月まで分からない
肝心の点はまだ決まっていない。他社製の蓄電池の制御と、スマートロックとの連携について、対応するメーカーは2027年1月に公開する予定だと同社は書いている。いま他社製の蓄電池を使っている人も、これから選ぶ人も、自分の機種が入るかどうかはその時点まで分からない。
更新にかかる費用や、手続きが自動か手動かについても、今回の告知には書かれていない。前提として、家に AiSEG3 本体がなければこの話は始まらない。
制御を一つの機器にまとめることには、裏側もある。家の電気の流れを決める判断を、どこか一か所に預けることになるからだ。どの家電をいつ動かすか、蓄電池をいつ空けておくかを、自分で決めておきたい人もいるだろう。
次に見るのは、パナソニックの AiSEG3 のウェブページだ。10月21日には回路ごとのグラフが見られるようになり、2027年1月には対応する蓄電池のメーカーがそこで公開される。問い合わせ先は、パナソニック 住宅エネルギーマネジメントシステム ご相談窓口 (0120-081-701、9時から18時) が案内されている。
ことば
- HEMS — 家庭の電気の使い方を見える化し、太陽光パネルや蓄電池、エアコンなどをまとめて制御する仕組み。ホーム・エネルギー・マネジメント・システムの略。新しい省エネ住宅の基準では、設置が条件の一つになる。
- 2段階FIT — 住宅の屋根に載せた太陽光の電気を、最初の4年間は高めの単価で、5年目からは低い単価で買い取る仕組み。AiSEG3 の新しい通知は、この切り替わりの時期を前もって知らせるためのものだ。
あなたの家の蓄電池は、いま誰の判断で充電し、いつ放電しているだろうか?
