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ガイド衣と住まいFUTURE LIFE BRIEF

窓から始める断熱、賃貸でもできること

冬の暖房の熱の約6割は窓から逃げるという。カーテン、すき間テープ、断熱シート、外せる内窓、補助金を使う内窓まで、賃貸でも元に戻せる方法から順に並べる。

窓から始める断熱、賃貸でもできることのイメージ

この記事でわかること

  • 家の熱の出入りは窓がいちばん大きい
  • 賃貸でも元に戻せる方法を、手軽な順に
  • ガラスの種類・原状回復・補助金の確かめ方

環境省は、冬の暖房中に室内から逃げる熱の約6割が窓から出ていき、夏の冷房中に外から入る熱の約7割が窓から入ってくると紹介している。日本建材・住宅設備産業協会の資料にもとづく数字だ。

環境省 デコ活「電気も省エネ 断熱住宅」デコ活(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動)

家の断熱をどこから手を付けるかと考えたら、最初の候補は窓になる。この記事では、賃貸でも退去のときに元へ戻せる方法から、持ち家で補助金を使う内窓の工事まで、手の届く順に並べる。

なぜ窓から始めるのか

壁や天井と比べて、窓のガラスは薄い。環境省の「デコ活」は、住宅では窓などの開口部からの熱の出入りが5〜7割と言われており、窓を改修すると冷暖房の使用量が減り、光熱費の削減が期待できるとしている。

同じく環境省のページは、夏に外から入る熱の内訳として、窓73%、屋根11%、外壁7%、換気6%、床3%という数字を挙げている。断熱のリフォームをするなら、冬のことも考えて窓、床、天井、壁の順がよいとも紹介している。

手順1 今夜からできる — カーテンを見直す

いちばん手軽なのはカーテンだ。環境省のページは、床まで届く長さにして隙間を作らず、部屋の暖気を逃がさないことで暖房の効率が上がるとしている。北側で風が強く当たる窓には、遮熱の効果が高いカーテンを選ぶのが効果的だという。

厚手のカーテンは野暮ったいと思われがちだが、同じページは、薄くてデザイン性の高いものも増えていると書いている。

夏は、窓の外で日差しを遮るほうが効く。環境省のページは、ひさしや軒、よろい戸、日よけ (オーニング) で直射日光を窓に当たる前に遮る方法や、ベランダに当たる日差しをグリーンカーテンでやわらげる方法を紹介している。

手順2 週末にできる — すき間テープと断熱シート

次は、窓のすき間とガラスそのものだ。環境省の「デコ活」は、すき間を塞ぐモヘヤシール (毛足のあるすき間テープ) や樹脂の板を窓に貼れば、予算1〜3万円ほどで住宅の断熱性能を高められるとしている。

環境省の「ウォームビズ」の実験レポートでは、気泡緩衝材 (いわゆるプチプチ) タイプの断熱シートを窓全体に貼っている。水を吹き付けて貼れる手軽さがあり、透明度の高いものを選べば明るさを保ったまま目隠しにもなったという。

ただし、ガラスに直接貼るものは、先にガラスの種類を確かめる。

板硝子協会は、ガラスは日差しで温まる中央部分と、サッシの枠の中で冷たいままの端との温度差が大きくなると割れることがあり、これを「熱割れ」と呼ぶと説明している。同協会によると、熱割れは次のようなことで起きやすくなる。

  • ガラス面にポスターを貼る、ペンキなどで塗る
  • 家具や布団、段ボール箱などをガラスに密着させて置く
  • 暖房の吹き出し口がガラス面に直接向いている

なかでも、ワイヤーの入った網入りガラスは、端の強度が弱いため熱割れに注意がいるとしている。網入りガラスや複層ガラスの窓にシートを貼るときは、製品の表示で、そのガラスに使えるかを確かめてから選ぶ。表示が無ければ、ガラスに直接貼らない方法 (カーテンや次の内窓) に回す。

手順3 外せる簡易内窓をつくる

窓の内側にもう1枚の窓を足すと、窓との間に空気の層ができる。環境省の「ウォームビズ」の実験では、角材とプラスチックダンボール (プラダン)、すき間テープで、はめ込み式の簡単な内窓を作っている。

  • プラダン2枚で角材を挟んで枠にし、周りにすき間テープを貼って、窓枠にはめ込む
  • 作業時間は1枚あたり約1時間
  • 浴室の窓で試したところ、取り付けの前後で窓の表面温度が約2℃変わった

このレポートは、開け閉めの少ない浴室や脱衣所の小さな窓に向いていて、換気のために簡単に取り外せることが大切だとしている。毎日開け閉めする窓より、普段は閉めたままの小窓から試すのがよい。

手順4 本格的な内窓をつける — 補助金の使い方

工事で内窓を取り付けるなら、国の補助金「先進的窓リノベ2026事業」(環境省) が使える。公式サイトによると、主な条件は次のとおりだ。

  • 補助の上限は1戸あたり100万円。補助額の合計が5万円以上であることが必要
  • 内窓は、今ある窓の屋内側50cm以内に、窓と平行に取り付けるもの
  • 申請は、工事をする「窓リノベ事業者」が住まい手に代わって行う
  • 工事に着手できるのは2026年12月31日まで。予算の上限に達したら、その時点で締め切られる

補助の対象になる「住宅の所有者等」には、賃借人も含まれている。ただ、内窓の工事は建物に手を加えるものなので、賃貸なら貸主や管理会社の了承を先に取る。

賃貸で気をつけること — 原状回復

国土交通省の「原状回復」の案内では、壁などのくぎ穴・ネジ穴 (エアコンの設置を除く) は、通常の使用を超えるものとして借りている側の負担になりやすいとしている。カーテンレールを足す、内窓の枠をネジで留めるといった方法は、穴をあけずに済む突っ張り式やはめ込み式を選ぶか、先に貸主に相談する。

同じ案内は、結露を放っておいて広がったカビやシミも、借りている側の負担になりやすいとしている。断熱をしても結露が出る窓はあるので、出たらこまめに拭く。

契約書に特約があれば、その内容が優先されることもある。始める前に、契約書の原状回復の欄を一度読んでおきたい。

つまずきやすいところ

  • ガラスの種類を確かめずに貼る — 網入りガラスや複層ガラスは、製品が対応しているかを先に見る
  • 手作りの内窓を閉めっぱなしにする — 浴室や脱衣所は湿気がこもりやすい。実験のとおり、外して換気できる作りにしておく
  • 効果を一度に求める — カーテン、すき間、ガラス、内窓は重ねて効く。いちばん寒い部屋の1枚から始めて、体感を確かめてから広げる
  • 補助金の締め切りに間に合わない — 先進的窓リノベは予算が尽きた時点で締め切られる。持ち家で工事を考えているなら、早めに事業者へ相談する

今日できること

家でいちばん寒い部屋の窓の前に立って、2つだけ確かめる。ガラスに網が入っているか。カーテンが床まで届いているか。それだけで、最初に何をするかが決まる。

持ち家で内窓を考えるなら、「先進的窓リノベ2026事業」の公式サイトで、対象になる製品と、近くの窓リノベ事業者を探せる。

あなたの家で、いちばん冷える窓はどこだろうか。

ことば

  • 内窓 — 今ある窓の室内側に、もう1つ取り付ける窓。2つの窓の間に空気の層ができ、熱が伝わりにくくなる。工事で付けるものと、はめ込み式で手作りできる簡易なものがある。
  • 熱割れ — ガラスの日の当たる部分と、枠の中の冷たい端との温度差で、ガラスが割れること。網入りガラスは端が弱く起きやすい。ガラスに物を貼ったり家具を密着させたりすると起きやすくなる。

一次ソース

版 1.0 (2026年11月2日)

あなたの暮らしで、最初に試せることは何でしょうか。