自動運転の Waymo は10月20日、スペインのマドリード州で、運転手のいない配車サービスを 2027 年に始める計画を発表した。スペインでは初めての地域で、同社は自社の X で、EU の中では 2 つ目の地域になると書いている。
米国の 15 を超える都市で配車を続けてきた同社が、今度は欧州の首都圏に入る。ただし今回の発表は「始める計画」で、必要な許可はまだこれから取る段階だ。
最初はマドリード市、アルコベンダス、ヘタフェ
対象はマドリード州で、まずマドリード市、アルコベンダス、ヘタフェの 3 つの自治体から始める。ほかの地域も後から加える可能性があるとしている。車両は電気自動車の Jaguar I-PACE だ。
進め方は 3 段階に分かれる。
- 発表の数日後から、人が運転して道路を記録し、検証する
- 地元で訓練を受けた運転手が乗ったまま、自動運転で走る
- 運転手のいない完全な自動運転に移る。始まる時は公表する
試験は公道でほぼ 24 時間続け、スペインの交通総局 (DGT) の指針に沿って行う。同社は国、州、市の当局と協力して必要な許可を得るとし、救急や消防などにも技術を知ってもらう取り組みを進めるという。
数字が示すものと、示さないもの
Waymo は発表の中で、週に 50 万回を超える乗車、累計 2000 万回を超える乗車を掲げた。安全面では、同社が走る米国の都市で、同じ距離あたりの重傷以上の事故が人の運転より 95% 少ないという自社の比較を示している。
これらはいずれも米国での実績だ。マドリードの道路、交通の規則、街の混み具合で同じ結果になるかは、これからの試験で確かめることになる。料金、サービスの範囲の細かい線引き、開始の正確な時期も、発表には書かれていない。
欧州の街で、移動はどう変わりうるか
運転手のいない車は、夜遅い時間や、運転をやめた高齢の人、体に障害のある人の移動を広げる可能性がある。発表には、スペインの脊髄損傷の研究団体 AESLEME の代表も言葉を寄せ、事故の背景にある人の誤りをなくすことへの期待を語っている。
一方で、公道の試験が始まれば、街の人は運転席に人が座ったままの車、やがては誰も乗っていない車と日常的にすれ違うことになる。どこまでを機械に任せるかは、乗る人だけでなく、同じ道を歩く人や走る人の受け止めにもかかっている。
次に確かめたいのは、スペインの交通総局 (DGT) と州の当局が、完全な自動運転の運行をいつ許可するかだ。Waymo のスペイン向けのページでは、更新の知らせを受け取る登録ができる。
ことば
- ロボタクシー (自動運転の配車) — 運転手のいない車を、アプリで呼んで乗る仕組み。Waymo は米国の複数の都市ですでに一般の利用者を乗せている。
- 交通総局 (DGT) — スペインで道路交通と運転免許を所管する国の機関。自動運転車の公道試験も、ここが定める指針に沿って行われる。
運転手のいない車が自分の街を走り始めたら、あなたは最初にどんな場面で乗ってみたいと思うだろうか?