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Tencent Hy4 の重みは誰でも落とせる——ただし「一番いい」と採点したのは、出した本人だ

Tencent が 770B のモデルの重みを公開した。誰でも落とせるのは本当だが、置き場は 1.5 テラバイト級で、公式の起動手順は GPU 8 枚を前提にしている。そして「最上位」と採点したのは、出した本人だった。

Tencent Hy4 の重みは誰でも落とせる——ただし「一番いい」と採点したのは、出した本人だのイメージ

この記事でわかること

  • Tencent が総パラメータ 770B・アクティブ 49B・文脈 100 万トークン超の「Hy4 preview」の重みを公開。ライセンス (Apache License 2.0) は発表本文ではなく Hugging Face と GitHub の配布ページ側に明記されている
  • 「同種で最上位」の根拠は 163 人 / 203 タスクの社内ブラインド評価で、第三者評価ではない。差は 0.05〜0.07 と小さく、開発元自身も早期版であることと既知の問題を認めている
  • 落とせることと動かせることは別。重みは 1.5 テラバイト級で公式起動手順は GPU 8 枚前提、現実的な入口は API (入力 0.834 ドル / 出力 2.501 ドル / 100 万トークン)

Tencent が 8 月 28 日、大規模言語モデル「Hy4 preview」を公開した。総パラメータ 770B、1 トークンごとに実際に動くのは 49B、文脈は 100 万トークン超。重みそのものが配られていて、落とそうと思えば誰でも落とせる。ただし「同種のモデルの中で最上位」と示す採点表を作ったのは、出した本人である。手元に置ける技術が増えるほど、増えるのは選択肢だけではない。確かめる手順のほうも要る。

「公開された」の中身を確かめる

語を先に絞りたい。Tencent の発表本文には、ライセンス名が書かれていない。書いてあるのは配布ページのほうだ。Hugging Face のモデルカードと GitHub のリポジトリには「Hy4 preview は Apache License 2.0 で公開する」と明記されている。前の世代が同じ条件だったため発表だけを見て推測されやすい箇所だが、確定できるのは配布ページ側である。

配られているのは重みそのものだ。78 層のうち 1 層目以外が専門家分割の構成で、各層に 256 個の振り分け先と 1 個の共有先があり、1 トークンにつき上位 8 個が動く。「770B」と「49B」が併記されるのはこのためで、大きさと 1 トークンあたりの計算量が別の数字になっている。BF16 の重みに加えて FP8(8 ビット)に量子化した版も置かれ、文脈長は約 104 万トークンと記載されている。

つまり「使わせてもらえる」ではなく「持てる」。この差は小さくない。

採点表を作ったのは、出した本人だ

発表本文が挙げる根拠は、社内のブラインド評価である。163 人の専門家が 203 の実務タスクを採点し、Hy4 preview が 4 点満点で 2.99、GLM-5.3 が 2.92、Kimi K3 が 2.94 だったという。

数字の作られ方を見ておきたい。第三者機関による評価ではなく、公開した側が設計して実施した評価だ。差は 0.05 から 0.07 で、4 点尺度の上ではわずかである。163 人が誰で、203 のタスクが何を測るものなのかは、発表本文には書かれていない。

書かれていることが嘘だ、という話ではない。順序の話だ。「一番いい」は、測った人の定義に依存する。自分の使い道と採点表の中身が噛み合っているかどうかは、採点表を見ないと分からない。

開発元自身、これが早期の版であることと、複雑な作業で必要以上に長く考え込む既知の問題があることを認めている。

落とせることと、動かせることは別だ

手元に置く話に戻る。Hugging Face の置き場は 1.5 テラバイト級で、重みは 19 ギガバイト前後のファイルに分割されている。落とし切るだけで日をまたぐ回線は珍しくない。

動かすほうはさらに要る。公式に示されている起動手順は、FP8 版を 8 枚の GPU に分割して読み込む形で書かれている。家庭用の機械 1 台に載る規模ではない。「誰でも落とせる」は本当だが、「誰でも動かせる」ではない。

現実的な入口は API 経由になる。100 万トークンあたり入力 0.834 ドル、出力 2.501 ドル、キャッシュ読み出し 0.042 ドル。この経路を選ぶなら、重みが配られていること自体は日々の使い勝手に効かない。持てることの価値は、提供が止まったときや条件が変わったときに、自分で立て直す道が残る点にある。すぐには効かない保険だ。

自分の機械に、何を置くか

重みが配られるモデルは、この一年でかなり増えた。増えたぶん、選ぶ側の手順が要る。

見るところは三つある。ライセンスがどこに書いてあるか。性能の根拠を誰が作ったか。動かすのに何台の機械が要るか。三つとも、発表の見出しではなく配布ページと起動手順のほうに書いてある。読む先が違う。

そのうえで、そもそも自分で持つ必要があるのかは別の問いだ。速さと安さだけを見るなら API でいい。持つ理由は、止まったときに困るかどうかにある。思いつきの下書きなら、止まっても困らない。家計の記録でも仕事の資料でも、外に出したくないものを通しているなら、話は変わる。

手元で動く選択肢が増えたとき、あなたは何を自分の機械に置いておきたいだろうか?

参照

あなたの暮らしで、最初に試せることは何でしょうか。