米国の Pebble は 10 月 5 日、全電動のキャンピングトレーラー Pebble Flow の 2027 年モデルを発表した。目玉は「Self-Powered Package」で、屋根の 1.1kW の太陽光パネルに、持ち運べる 500W のパネル 4 枚を足し、発電の能力を最大 3.1kW まで広げる。パネルは電源メーカーの Jackery と組んで用意した。
ガソリンの発電機もプロパンも使わずに泊まるための家を、どこまで自前の電気で回せるか。その問いに、メーカーが具体的な数字で答え始めた。
屋根の 1.1kW に、地面の 2kW を足す
Pebble の発表によると、Self-Powered Package は次の 3 つでできている。
- 屋根に組み込んだ 1.1kW の太陽光パネル
- 外付けのパネルをつなぐための端子
- 付属の 500W の外付けパネル 4 枚
合わせて最大 3.1kW で、対応するパネルを買い足せば、合計 4kW まで増やせるという。部品の出荷は 2026 年 12 月の見込みだ。Jackery は X で、このパッケージのために専用の太陽光パネルを作ったと告知している。
Ars Technica によれば、Pebble は 4kW の太陽光があれば、平均的なキャンプの 1 日に使う量より多く発電できるとしている。
45kWh の電池を積んだ、走る家
Ars Technica の記事によると、Flow は全長 25 フィート (約 7.6m) で、45kWh のリン酸鉄リチウム (LFP) 電池を積む。電池は外へも電気を出せ、最大 12kW の出力で電気自動車を充電することもできる。急いで充電したいときは、交流の充電で最大 6.6kW、直流の急速充電なら 0% から 80% まで 1 時間足らずで戻せると Pebble は説明している。
車輪にはモーターが入っていて、引っ張る車を後ろから押して助ける。2027 年モデルでは、この補助を強める 40kW の「Boost」設定が、無料のソフトウェア更新で加わる。カメラ 4 台と Nvidia の処理装置で、車の連結部を自分で見つけてつなぎ、iPad のアプリで遠隔から駐車させることもできる。
ほかに、ツインベッドの間取り (ベッドの下に約 30 立方フィートの収納) や、太陽光の管理を自動化する新しいソフトウェア、長さを伸ばした日よけが加わった。ツインベッドと日よけは新車だけの選択肢だ。
電気で暮らす家の、値段と重さ
ただし、手が届く道具ではない。価格は Magic Pack が 15 万 9,000 ドル、Founders Edition が 18 万 9,000 ドルから。車両の総重量は 6,800 ポンド (約 3.1 トン) ある。
発電の数字にも読み方がある。3.1kW や 4kW はパネルの定格の合計で、晴れて日差しの条件がそろったときの上限だ。外付けの 4 枚は、着いた先で地面に並べる手間と、日の当たる場所が要る。曇りが続く日や、木陰のキャンプ場では、電池の 45kWh を少しずつ使っていくことになる。
日本で同じような暮らしを考えるなら、総重量が 750kg を超えるトレーラーを引くにはけん引免許が要る。3 トン級となると、引く車の側にも十分な能力が求められる。
それでも、この発表が示す方向ははっきりしている。泊まる場所の電気を発電機ではなくパネルと電池でまかない、余った分は車に戻す。家と車と発電所を一つの箱に収める考え方が、製品の形を取り始めた。
次に確かめること
確認できる次の一点は、Pebble の公式サイトのニュース欄で、12 月に予定される Self-Powered Package の出荷が予定どおり始まるかだ。出荷後に使い手から出てくる、冬や曇りの日にどれだけ電池が持ったかの報告が、3.1kW という数字の実際を教えてくれる。
ことば
- LFP 電池 — リン酸鉄リチウムを使うリチウムイオン電池の一種。エネルギーの詰め込み量ではほかの方式に劣るが、熱に強く寿命が長いことから、家庭用の蓄電池やキャンピングカーでも使われている。
- 双方向充電 — 電池に電気をためるだけでなく、ためた電気を外へ出せる仕組み。Flow の場合は、最大 12kW の出力で電気自動車を充電することもできる。
- けん引免許 — 車両総重量が 750kg を超えるトレーラーを引いて公道を走るために、日本で必要になる運転免許。小型のトレーラーなら普通免許で引けるが、住まいを積んだ大きな箱はこの線を越えやすい。
屋根のパネルと、地面に並べるパネルと、45kWh の電池。電気で暮らす家を考えるとき、あなたはどれから決めるだろうか?

