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NASA のアルテミス計画、有人月着陸は2028年に

NASA はアルテミス計画で、2027年に地球の軌道で着陸船とのドッキングを試し、2028年に人を月面へ降ろす段取りを示した。決まったことと、まだ決まっていないことを分けて読む。

NASA のアルテミス計画、有人月着陸は2028年にのイメージ

この記事でわかること

  • 2027年の Artemis III は地球の軌道上の14日間の試験飛行で、SpaceX と Blue Origin の着陸船の試験機と順にドッキングする
  • 有人の月着陸は2028年の Artemis IV。準備期間は約半分に縮み、配管部品は外注見積もりの約10分の1の費用で自前で作り直した
  • SLS の上段は二案を並行中で、月面の住まいや電源、水の確保は今回の説明に含まれていない

NASA は11月4日、月へ人を戻すアルテミス計画の最新の段取りを公式サイトで公表した。2027年の Artemis III で地球の軌道上の試験を済ませ、2028年の Artemis IV で人が月面に降りる計画で、機体の準備にかかる期間はおよそ半分に縮んだという。

NASA 公式 アルテミス計画の加速方針 (11月4日・Artemis III/IV の段取り・SLS 上段・宇宙服)NASA

10月23日にアイザックマン長官らが説明した内容をまとめたものだ。月に人がとどまる話は地上の暮らしから遠く見えるが、重さを半分にした宇宙服や、外注をやめて自前で作り直した部品の話も混じっている。何が決まり、何がまだ決まっていないのかを分けて見ておきたい。

2027年は地球の軌道で、2028年に月面へ

NASA の説明では、2027年の Artemis III は、4人の宇宙飛行士を乗せた宇宙船オリオンを大型ロケット SLS で打ち上げ、地球の軌道を回る14日間の試験飛行になる。先に Blue Origin が月着陸船 Blue Moon の試験機を軌道に上げ、オリオンがそれとドッキングする。続いて SpaceX が Starship の着陸船 (Version 3) の試験機を打ち上げ、オリオンは Blue Moon を離れて Starship につなぎ直す。月へ向かう前に、ドッキングと着陸船との運用を地球の近くで確かめておく段取りだ。

人を乗せた着陸は2028年の Artemis IV になる。オリオンはフロリダのケネディ宇宙センターから SLS で打ち上げる。SpaceX の案では、Starship が地球の軌道で燃料を補給したうえでオリオンと落ち合い、月へ向かう。Blue Origin の案では、軌道上の輸送段が着陸船 Blue Moon Mark 2 を月へ押し出し、月に近い軌道でオリオンと合流してから降りる。両社とも2028年の有人着陸を目指し、行き先は月の南極域だ。

準備期間は半分、部品は10分の1の費用で

NASA によると、機体の準備は予定どおりに進み、組み立てや点検にかかる期間はおよそ半分に縮んだ。目を引くのは燃料の配管部品の例だ。外部の業者の見積もりのおよそ10分の1の費用で、NASA が自前で設計し直し、作り、試験するまでを5か月で終えたという。

宇宙服も軽くなる。NASA は Axiom Space と組み、最初の月面歩行には「Sortie suit」と呼ぶ軽い宇宙服を使う計画だ。重さは大きい宇宙服のおよそ半分で、長い任務では引き続き大きい方を主に使う。アイザックマン長官は、今回の更新は活気づいた NASA の物語のごく一部にすぎないと語っている。

まだ決まっていないこと

ただし、選択肢を残したままの部分もある。SLS の上段について、NASA は今の暫定の上段と、ULA の上段 Centaur V を伸ばして燃料を多く積む案の二つを並行して進めている。片方がつまずいても計画を止めないための備えで、どちらで飛ぶかはまだ決まっていない。

SpaceX の案は、地球の軌道で燃料を補給する手順を前提にしている。2027年の試験で確かめるのはドッキングと着陸船との運用で、補給の手順はその先の課題として残る。

NASA は「月面に人が持続的にとどまる」ことを目標に掲げる。それでも今回の説明は、月面での住まいや電源、水の確保には触れていない。

地上の暮らしから見ると

月の南極に人がとどまり続けるなら、限られた荷物で電気をつくり、水をまかない、閉じた空間で暮らす技術が要る。今回の説明はそこまで踏み込んでいないが、重さを半分にした宇宙服や、自前で作り直して費用を10分の1にした部品は、限られた手段で必要なものをそろえる工夫という点で、地上の自立した暮らしとも地続きだ。

次に確かめるのは、NASA のアルテミス計画のページで2027年の Artemis III の打ち上げが何月と示されるか、そして SLS の上段がどちらに決まるかだ。

ことば

  • アルテミス計画 — NASA が進める、人を再び月へ送る計画。アポロ以来の有人月着陸と月の南極域での長い滞在を目指し、着陸船は民間の SpaceX と Blue Origin が受け持つ。
  • ドッキング — 宇宙で二つの機体をつなぐこと。Artemis III では、オリオンが二社の着陸船の試験機と順につながり、月へ行く前の手順を地球の近くで確かめる。

限られた荷物で暮らす技術が月で磨かれたら、あなたの暮らしのどこに戻ってきてほしいだろうか?

参照

あなたの暮らしで、最初に試せることは何でしょうか。