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DeepSeek、763B の新 Flash を MIT ライセンスで公開

DeepSeek が 763B の新モデルの重みを MIT ライセンスで公開し、検索 API も開放した。家で動かせるのか、API はいくらか、公式資料の数字で整理する。

DeepSeek、763B の新 Flash を MIT ライセンスで公開のイメージ

この記事でわかること

  • DeepSeek-V4.1-Flash-1017 の重みは 763B・MIT ライセンス。8 ビットでも約 760GB で家庭の PC には載らない
  • API は deepseek-flash に統一。日本の平日 10〜13 時・15〜19 時はピークで倍額
  • Search と Fetch の API は 1,000 回 0.75 ドル。Claude Code などからの利用は日本時間 11 月 1 日 1 時まで無料

DeepSeek は 10 月 17 日、言語モデル「DeepSeek-V4.1-Flash-1017」を公開し、ウェブサイト・アプリ・API で使える状態にした。同時に重み (モデル本体のデータ) を Hugging Face で MIT ライセンスのもと配布し、自社の検索エンジンを呼び出す Search と Fetch の 2 つの API も、API 利用者なら誰でも使える形にした。

個人にとって大きいのは、API で使う道具の値段と組み合わせ方が変わったことだ。何が自分の手に届き、何がまだ届かないのかを、公式資料の数字で切り分けておく。

速報では発表の骨子だけを伝えた。ここでは重み・API・検索の 3 点を順に見る。

763B の重み、家庭の PC には載らない規模

Hugging Face のモデルカードによると、パラメータ数は 7,630 億 (763B)、扱える文脈は 100 万トークン。重みは MIT ライセンスで、商用を含めて改変や再配布ができる。8 ビット精度の重みが用意され、llama.cpp・Ollama・LM Studio 向けの量子化版 (数値を粗くして軽くした版) もモデルページから辿れる。

ただ、モデルカードは必要なハードウェアを示していない。単純計算で、1 パラメータを 1 バイトで持てば重みだけで約 760GB、4 ビットまで削っても約 380GB になる。一般的なノート PC やデスクトップのメモリは数十 GB なので、桁が一つ違う。

重みの公開が個人に開くのは、自宅の機械で動かす道というより、クラウドの GPU を借りて自分の管理下で動かす選択肢と、他社がこのモデルを載せたサービスを出す余地のほうだ。

API の値段、日本の勤務時間はピーク料金

API のモデル名は deepseek-flash に統一された。料金表では、100 万トークンあたり入力 0.15 ドル (キャッシュに当たれば 0.003 ドル)・出力 0.6 ドル。これは閑散時間の値段で、ピーク時間は倍になる。ピークは平日の UTC 1〜4 時と 6〜10 時、日本時間に直すと平日の 10〜13 時と 15〜19 時。日本の勤務時間に使うと、ほぼ倍額の時間帯に重なる。

もう一点、旧名の deepseek-v4-flash などで呼んでいるプログラムは、何も変えなくても新モデルが応答するようになった。料金表は旧モデルを退役扱いとし、その名前への要求を V4.1-Flash-1017 が処理すると明記している。DeepSeek は出力が短くなったと説明しているので、応答の長さや書きぶりに頼る自作の仕組みがあれば、挙動を一度確かめておきたい。

性能の数字は DeepSeek 自身の測定だ。モデルカードの表では、端末操作の評価 Terminal-Bench 4.0 が前版の 31.2 から 42.3 に上がり、ソフト修正の評価 DeepSWE v1.1 は 77.0 で、比較に並べた Claude Opus 5 の 74.0 を上回る。一方、知識と推論を問う HLE (ツールなし) は 42.6 で、Opus 5 の 56.3 に届いていない。得意な作業とそうでない作業がはっきり分かれた表で、一つの数字で上位モデル並みとは言い切れない。

検索 API、1,000 回 0.75 ドルの調べ物係

Search API は問いに合うウェブページを探し、要約や本文つきで返す。Fetch API は指定したページを取りに行き、Markdown にして返す。料金はどちらも成功した要求 1,000 回あたり 0.75 ドルで、失敗・空振り・タイムアウトは課金されない。上限はアカウントごとに毎秒 5 回。

個人の使い道なら、毎朝決まったテーマのニュースを集めて要約させる、気になる商品のページを定期的に取りに行く、といった小さな自動化が現実的だ。1 日 100 回呼ぶと 1 か月で約 3,000 回、2.25 ドルほどの計算になる。

DeepSeek Harness・Claude Code・Codex からサーバー側の道具として呼ぶ分は、いまは無料だ。課金は北京時間の 11 月 1 日 0 時、日本時間では 11 月 1 日 1 時に始まる。無料のうちに組んだ仕組みも、その時点から呼び出し回数に応じた費用がかかる。

ただし Fetch は相手サイトの方針しだいで取れず、ブロックされたページには 404 が返る。検索結果の質や偏りは公開資料からは分からない。外部に開かれたばかりの検索エンジンに調べ物の入口をどこまで任せるかは、使いながら見極める部分が残る。

手元に置くか、借りて使うか

今回個人の手に届いたのは、安い API と、1 回 0.075 セントで使える検索と取得の部品だ。

調べ物や下書きを API に任せれば、問い合わせの中身は DeepSeek のサーバーを通る。自前で動かせば中身は手元に残るが、数百 GB のメモリか、借りた GPU の費用がかかる。11 月 1 日の課金開始の前に、DeepSeek API の料金ページで自分の使い方の月額を一度見積もっておくと、判断の材料がそろう。

ことば

  • オープンウェイト — 学習済みモデルの重み (数値の集まり) を誰でもダウンロードできる形で配ること。MIT ライセンスは商用利用や改変を広く認めるため、他社が自社サービスに組み込む道も開く。
  • 量子化 — モデルの数値を少ないビット数で表し、必要なメモリを減らす手法。精度と引き換えに軽くなるため、大きなモデルを小さな機械で動かすときの前提になっている。
  • Fetch API — 指定した URL のページを取りに行き、本文を Markdown にして返す仕組み。AI に最新のウェブ情報を読ませる下ごしらえを、自分で書かずに済ませられる。

あなたの調べ物や下書きのうち、どこまでを他社のサーバーに預け、どこからを手元に残しておきたいだろうか?

参照

あなたの暮らしで、最初に試せることは何でしょうか。