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消費減税法案が衆院通過、現金給付は誰に届くのか

消費減税法案が衆院を通過した。食料品1%の時期、現金給付の4つの条件、まだ決まっていない所得の線引きを分けて整理する。

消費減税法案が衆院通過、現金給付は誰に届くのかのイメージ

この記事でわかること

  • 食料品の税率は2027年4月から2年間1%に。法案は衆院を通過し、参院の審議はこれから
  • 給付の条件は4つあるが、所得の線と金額は政令に委ねられ、年収350万円も確定した線ではない
  • 勤労所得が入口なので、働いていない人や年金だけの人は対象に入らない形だ

飲食料品の消費税率を2027年4月から2年間1%に下げ、働く人向けの現金給付「就業者負担軽減支援金」を新しく作る法案が、11月6日の衆院本会議で可決され、参院へ送られた。高市首相は同じ日の委員会で、給付の対象を就業者全体の3割以上にする方針を示したが、所得の下限と上限、金額は政令で決める形のままだ。

共同通信「消費減税法案が衆院通過 現金給付対象、就業者の3割以上」(2026年11月6日)47NEWS

つまり法案が衆院を通っても、自分が給付の対象かはまだ誰にも分からない。決まった骨格と、決まっていない線引きを分けておきたい。

食料品の1%は、2027年4月から2年間

内閣官房と財務省の資料によると、税率の引き下げは2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間だ。国の消費税率を0.78%とし、地方消費税と合わせて1%になる。いま8%の軽減税率がかかっている飲食料品が土台で、税抜1万円の買い物なら、税は800円から100円に減る計算だ。

ただ、下がった分がそのまま値札に出るかは店の値付けしだいで、法案が値段まで決めるわけではない。定期便や通信販売の予約については税率の経過的な扱いを設けるとあり、来春をまたぐ定期購入をしている人は、細かい線引きを後で確かめることになる。

給付の骨格と、4つの条件

支援金は毎年1回支給し、2029年度は4月にも支給する。受け取るには次の条件を満たす。額はいずれも政令で定める。

  • 勤労所得が一定額を超える
  • 合計所得が一定額以下である
  • 税・社会保険料の負担額から公的年金等の収入を引いた額が一定額を超える
  • 配偶者の合計所得が一定額以下である (2027・2028年度は適用しない)

支給額は、前年の所得と19歳未満の扶養親族の数 (2027・2028年度は16歳未満) に応じて政令で決める。

条件を読むと、制度の性格は見える。働いて収入があることが入口なので、働いていない人や年金だけで暮らす人は対象に入らない形だ。法案には、対象にならない人への措置のあり方を検討するという規定も置かれている。

「3割以上」は、まだ線ではない

共同通信によると、首相は委員会で対象を「諸外国並みの (就業者全体の) 3割と同程度以上とする」と述べた。これまでは3割に当たる2千万人程度を「一つの参考」としていて、これは年収100万〜350万円に当たる。首相は「もう少し幅広く考えている」とも語った。

片山財務相は同じ日の会見で、委員会の質疑で出た意見に触れた。下限を給与収入53万円超とすることに重ねて意見があり、上限の年収350万円は低すぎるのではないかという声もあったという。各党の意見をさらに聞いて検討するのが適当だとし、対象者数も最新のデータで新たに推計する必要があると述べた。

だから年収100万円や350万円を、自分の当落線として読むのはまだ早い。

いつ届くのか

法律の施行は2027年4月1日と定められている。2027年度の支給が何月になるかは、資料には書かれていない。手続きの面では、公金受取口座を登録している人について、市区町村長が職権で支給を認定できる仕組みが入っている。

いま家計の側でできることは多くない。給付の線引きを見る材料は前年の所得と扶養の数、配偶者の所得なので、源泉徴収票や確定申告の控えの置き場所を確かめておく。公金受取口座の登録の有無はマイナポータルで見られるが、ひもづけの手間はかかるし、登録しないと受け取れないと決まったわけでもない。

財源の説明と参院の日程

財源は、特例公債に頼らず歳出と歳入の見直しで確保する方針で、片山財務相は具体像を今後の予算編成過程で示すと述べた。上野厚労相は、支援金の導入で社会保障の財源に穴が空くことにはならないとの認識を示している。野党は、財源や給付の対象が不明確だとして全党が反対した。

与党は参院で過半数を持っていない。時事通信によると、与野党は11月11日の参院本会議で審議入りする日程で合意し、政府と与党は12月12日の会期末までの成立を目指す。成立の前に中身が変わる可能性も残っている。

次に見るのは、その11月11日の参院本会議だ。首相の答弁で「3割以上」にどんな数字が添えられるかを確かめたい。

ことば

  • 就業者負担軽減支援金 — 中低所得で働く人の税・社会保険料の負担を和らげるための新しい現金給付。所得に応じて額が変わる。今回の法案で作られ、2027年度から支給が始まる形になっている。
  • 政令 — 国会の議決を経ずに内閣が定めるルール。今回の給付は、対象の所得の線と金額をここに委ねているので、法律が成立したあとに具体的な数字が出てくる。
  • 公金受取口座 — 給付金などを受け取るために国に登録しておく本人名義の口座。登録はマイナポータルからできる。この支援金では、登録者について職権での支給認定を可能にしている。

給付の線引きが決まった時、あなたの家で最初に確かめる書類はどれだろうか?

参照

あなたの暮らしで、最初に試せることは何でしょうか。