SpaceX が 9 月 23 日、Starship の 14 回目の飛行を 9 月 28 日に打ち上げる予定だと投稿した。規制当局の承認が条件で、打ち上げ前には機体を組み上げた状態での試験も予定されているという。
14 回目にして、初めて地球を回る軌道に入る計画になっている。これまでの 13 回とは、成功と呼べる線の引かれ方が違う。
13 回の弾道と、14 回目の軌道
これまでの飛行は弾道だった。上がって、落ちる。地球を一周しないまま大気圏に戻る飛び方で、Starlink の新型 V3 を積んだ回もあったが、衛星は軌道に残らず一緒に燃え尽きていた。試験のための積み荷だったからだ。
今回の計画では、打ち上げのおよそ 25 分後に上段が軌道投入の噴射を行う。高度は約 275 km、周回はおよそ 6 周で、飛行時間は 10 時間近い。その途中で Starlink V3 を 26 基、実際に使う軌道へ放す。1 基あたりの容量は 1 Tbps (毎秒 1 テラビット) とされている。
26 基のうち 3 基にはカメラが付く。撮るのは景色ではなく、Starship 自身の耐熱シールドだ。再突入の前に、外から自分の傷を確かめる。
帰り道はまだ試されていない
軌道に入るということは、降りる手順が要るということでもある。上段は宇宙で Raptor エンジンを 1 基だけ再着火して減速し、大気圏に入る。弾道飛行では必要のなかった操作にあたる。
着水の予定は Ship 41 がチリ沖の太平洋、Booster 21 はメキシコ湾の洋上。どちらも海に降ろす計画で、機体はともに初飛行だ。
飛行中の点検の結果しだいで、周回を 6 周から 2 周または 5 周に切り上げる条項も用意されている。予定表どおりに 10 時間飛ぶことが、あらかじめ前提にされているわけではない。
日本時間では 28 日の夜
打ち上げ枠は現地時間で 9 月 28 日の朝、日本時間では同じ日の 21 時 15 分に開き、1 時間 15 分で閉じる。場所は Starbase の 2 番射点。
ただし前提が一つ残っている。SpaceX 自身が投稿に書いているとおり、規制当局の承認がまだ条件のままで、日付は動きうる。直前の変更は SpaceX の X アカウントと spacex.com の Flight 14 のページに出る。見るつもりなら、当日の夕方にもう一度そこを開くのが早い。
圏外でつながる暮らしがどこまで現実的になるかは、こうした打ち上げが通るかどうかに素直に連動している。今回積まれる 26 基は、これまでのように燃え尽きるのではなく、通れば容量として残る。
ことば
- 弾道飛行 — 打ち上げた機体が地球を一周せずに落ちてくる飛び方。速度が足りないため、一緒に積んだ衛星もそのまま大気圏に入る。これまでの Starship はこの飛び方だった。
- 軌道投入 — 上段が自力で噴射して、落ちずに地球を回り続けられる速度に乗る操作。ここを越えて初めて、積んだ荷物を軌道に残せる。
- 耐熱シールド — 再突入のときに機体を高温から守る覆い。Starship の再利用はここが持つかどうかにかかっており、今回はカメラ付きの衛星から状態を撮る計画になっている。
打ち上げを見るとして、あなたが結果として確かめたいのは、上がったかどうかだろうか、それとも 26 基が軌道に残ったかどうかだろうか?