厚生労働省は10月22日、令和8年熊本地震の被災者を対象にした医療保険の窓口負担と介護保険の利用料の免除措置を、2027年(令和9年)2月末まで延ばすと告知した。要件を満たす人は、病院や薬局、介護サービス事業所の窓口で対象者だと申し出れば、支払いがいらない。
これまで11月末までとされていた扱いが、さらに3か月延びる。冬を越えて通院や介護サービスが続く家庭にとっては、負担の見通しが立つ。ただし、誰でも対象になるわけではない。加入している保険と被災の状況の 2 つで決まる。
対象になるのは、2 つの条件を両方満たす人
厚労省の患者向けリーフレット(10月16日時点)によると、1 つめの条件は、災害救助法が適用された市町村の住民で、決められた保険者に加入していることだ。熊本県内では、熊本市や八代市、益城町、西原村など21市町村の国民健康保険、熊本県後期高齢者医療広域連合、全国健康保険協会(協会けんぽ)が載っている。一部の健康保険組合や国民健康保険組合も免除する場合があり、詳しくは各組合に問い合わせるよう書かれている。
2 つめの条件は、次のどれかに当てはまることだ。
- 住まいが全壊・半壊、全焼・半焼、床上浸水、またはそれに近い被害を受けた
- 主に家計を支える人が亡くなった、または重い病気やけがを負った
- 主に家計を支える人の行方が分からない
- 主に家計を支える人が事業をやめた、または休んでいる
- 主に家計を支える人が職を失い、今は収入がない
住まいの被害については、罹災証明書を見せる必要はなく、窓口で口頭で申し出ればよい。
申し出るときに知っておきたいこと
免除の対象は窓口で払う自己負担の分で、入院や入所のときの食費や居住費は払う必要がある。対象の保険に入っていれば、熊本県の外にある医療機関や介護サービスを使ったときにも、支払いは求められない。
窓口で申し出た内容は、後日、加入している保険者が確かめることがある。条件に当てはまるか迷うときは、窓口で申し出る前に保険者へ確かめておくと、後で行き違いが起きにくい。
一覧に載っていない保険に入っている人は、窓口負担や利用料を払う必要がある。ただし、一定期間は支払いが猶予される可能性があるとされ、こちらも各保険者に問い合わせることになる。同じ家の中でも、勤め先の健康保険に入る人と国民健康保険に入る人とで扱いが分かれうる。
2月末のあとはどうなるか
厚労省が都道府県や保険者に出した10月16日付の事務連絡は、期間を「当面の対応」として区切ったうえで、被災の状況や保険者の意向を見て、時期を見て延長することを想定していると書いている。3月以降の扱いはまだ決まっていない。
次に確かめたいのは、2月が近づいた時点で、厚労省の「令和8年熊本地震」で被災された方々の窓口負担のページと、加入している保険者の案内に、3月以降の扱いが載るかどうかだ。
ことば
- 保険者 — 健康保険や介護保険を運営し、保険料を集めて医療費などを払う側の団体。市町村の国民健康保険、協会けんぽ、会社ごとの健康保険組合などがあり、免除するかどうかも保険者ごとに決まる。
- 罹災証明書 — 住まいの被害の程度を市町村が調べて証明する書類。多くの支援で求められるが、この窓口負担の免除では、住まいの被害は口頭の申し出で足りる。
自分や家族が入っている保険がどれで、その保険者が免除の一覧に載っているか、今すぐ言えるだろうか?
