NTTドコモは10月16日、同日12時40分ごろに気象庁が出した緊急地震速報が、ドコモの利用者に緊急速報「エリアメール」として届かなかったと発表した。配信の対象だった北海道・東北・北陸・関東・甲信・東海・伊豆諸島の利用者に届かず、原因は同社のシステムの不具合だという。
同社は原因を特定して対応を急ぐとしながら、解消するまではエリアメールが配信されない場合があると書いている。直るまでの間、揺れや避難の知らせをスマートフォン以外のどこで受け取るかを、いま決めておく話だ。
届かなかったのは、外れた警報だった
今回の警報そのものは、気象庁が過大に出したものだった。気象庁によると、12時38分ごろにカムチャツカ半島付近でマグニチュード6.9 (速報値) の地震が起き、緊急地震速報の処理が震源を千島列島、規模をマグニチュード9.9と見誤った。北海道から中部地方に警報が出たが、観測された揺れは函館市の震度1だけだった。
大きな揺れが来なかったので、届かなかった影響は表に出にくい。問題は、不具合が直るまでの間に次の警報が出たとき、同じように届かないおそれが残っていることだ。
ケータイ Watch によると、ドコモはサイバー攻撃ではないと説明し、KDDI とソフトバンクでは問題なく配信されたという。
エリアメールが運ぶのは地震だけではない
ドコモのサービス案内によると、エリアメールは次のような情報を、回線の混雑に左右されずに対象地域の携帯電話へ一斉に届ける仕組みだ。
- 気象庁の緊急地震速報と津波警報
- 自治体などの災害・避難情報: 高齢者等避難、避難指示、緊急安全確保、気象等に関する特別警報、土砂災害警戒情報など
- Jアラートの国民保護情報: 弾道ミサイル情報など
16日のお知らせが扱っているのは緊急地震速報の件だ。ただ、解消までの間に配信されない場合があると書かれているのはエリアメールそのもので、どの種類の配信まで影響しうるのかは、お知らせからは読み取れない。
解消までの間、知らせをどこで受けるか
気象庁は、緊急地震速報を受け取る手段として、携帯電話のほかに次のものを挙げている。
- テレビ・ラジオ: NHK は、どの地域が対象の警報でも全国で放送する。民放は準備の整った局が、自社の放送エリアが対象のときに流す
- 市区町村の防災行政無線: Jアラートを使った放送。放送するかどうかや内容は自治体によって違うので、役場に確認するよう案内している
- 施設の館内放送や、専用の受信端末
これに、他社の回線が加わる。今回 KDDI とソフトバンクには届いていた。家族の誰かが他社のスマートフォンを持っていれば、同じ部屋にいる限り、それが受け取り口になる。
どれにも限界はある。テレビとラジオは電源が入っていなければ鳴らない。防災行政無線は自治体によって放送の基準が違う。2台目の回線には毎月の費用がかかる。夜中や外出中に頼れるのは手元のスマートフォンだけ、という人も少なくないだろう。解消までの間にどの手段を足すかは、家ごとに違ってくる。
次に見るのは、ドコモの「重要なお知らせ」欄と、16日付のお知らせの更新だ。解消の知らせが出るまでは、エリアメールが届かない可能性を前提に動くことになる。問い合わせはドコモインフォメーションセンター (ドコモの携帯電話から151、一般電話から0120-800-000、午前9時〜午後8時) が受け付けている。
ことば
- エリアメール — ドコモの緊急速報サービス。気象庁や自治体の情報を、通常のメールとは別の方式で対象地域の携帯電話へ一斉に送る。申し込みは不要で、受け取りに料金はかからない。
- 緊急地震速報 (警報) — 地震の発生直後に震源と規模を推定し、強い揺れが来る前に知らせる仕組み。揺れが来るまでのごくわずかな時間に間に合わせるため、今回のように推定を誤ることもある。
- Jアラート — 国が出す緊急情報を、自治体の防災行政無線や携帯電話へ瞬時に伝える全国瞬時警報システム。消防庁が運用し、弾道ミサイル情報などの国民保護情報もこの経路で届く。
スマートフォンが鳴らない夜に揺れが来たら、あなたはそれを何で知ることになるだろうか?
