ポータブル電源メーカーの BLUETTI JAPAN は10月23日、公式 X で冷蔵庫向けのバックアップ電源「FridgePower」を紹介し、Makuake での応援購入が10月30日22時に締め切られると告知した。厚さ75mmで冷蔵庫の上やすき間に置けるのが売りで、告知には「最長4日間冷蔵庫をバックアップ」とある。
ただ、その4日は増設バッテリーを3台足した場合の数字だ。本体1台なら、メーカー自身の説明で約1〜2日になる。停電の備えとして考えるなら、何日分を、いくらで、どこに置くかを分けて見たほうがいい。
本体1台は2,016Wh、4日分は8,064Wh
Makuake のページによると、本体の容量は2,016Wh、定格出力は1,800W(サージ3,000W)。電池はリン酸鉄リチウムイオンで、充放電4,000回に対応し、5年間のメーカー保証がつく。
増設バッテリーは1台2,016Whで、最大3台までつなげる。本体と合わせた8,064Whが「最長約4日間」の根拠で、本体だけなら「一般的なご家庭の冷蔵庫を1日(24時間)以上」というのがメーカーの説明だ。
壁のコンセントと冷蔵庫の間に挟んでおくと、停電を検知して10ms以内に自動でバッテリー給電に切り替わる。システムに異常が出たときは、バイパス機能で商用電源から冷蔵庫へ給電を続けるという。家にいない間の停電でも手を出す必要がないのは、棚にしまってある普通のポータブル電源との大きな違いだ。
自分の冷蔵庫で何時間もつか
「1〜2日」の幅は、冷蔵庫の大きさと使い方で決まる。目安を自分で出すなら、冷蔵庫のカタログや本体のラベルにある年間消費電力量(kWh/年)を365で割ればいい。年間400kWhの冷蔵庫なら1日あたり約1.1kWhで、2,016Whなら計算上は2日弱になる。
ただし、ラベルの数値は決められた条件での試験値で、夏場や扉の開け閉めが多い日はもっと食う。電池から交流に変換する損失もある。計算で出た時間は、上限に近いと考えておくほうが安全だ。
値段と、応援購入という買い方
Makuake のリターンでは、本体単体が11万1,800円から15万4,800円(税込)の価格帯で、先着の安い枠から順に締め切られている。増設バッテリーは1台11万4,751円。本体15万4,800円の枠に増設3台を足すと、Makuake の価格でも合計で50万円近くになる。
応援購入は通常の買い物とは条件が違う。ページには、購入者の都合によるキャンセルや返金は原則受けないこと、返品・交換は到着後8日以内の初期不良に限ること、デザインや仕様が変わる可能性があることが明記されている。
つなぎっぱなしで使う前提なので、待機電力も見ておきたい。メーカーの説明では4Wで、1年間つなぎっぱなしにすると約35kWhになる。停電のない日も、このぶんの電気は使い続ける。
メーカーは深夜電力やソーラー発電でためた電気を昼に使う節約の使い方も挙げている。ただ、停電に備えて満充電で待たせておく使い方と、毎日充放電して電気代を浮かせる使い方は、どちらを優先するかで設定が変わる。
冷蔵庫を守る手段はほかにもある
すでにポータブル電源を持っているなら、停電時に手で冷蔵庫につなぎ替えるだけでも同じことはできる。自動で切り替わらない代わりに、新しく買う必要はない。保冷剤とクーラーボックスで中身を移す手もある。FridgePower が独自なのは、置き場所が冷蔵庫のそばに固定され、切り替えを人の手から外せる点だ。
次に確かめたいのは、Makuake のプロジェクトページで10月30日22時の締め切りまでに残るリターンの価格と、終了後の一般販売の価格だ。冷蔵庫側では、手元の機種の年間消費電力量をラベルで確かめておくと、比べる軸が一つ増える。
ことば
- Wh(ワット時) — 電池にためられる電気の量の単位。1,000Whの電池は、100Wの家電をおよそ10時間動かせる計算になる。実際は交流に変換する損失があるので、もう少し短くなる。
- リン酸鉄リチウムイオン電池 — リチウムイオン電池の一種で、熱に強く、充放電を繰り返しても劣化しにくいとされる。FridgePower では4,000回の充放電に対応し、1日1回の使用で約10年使えるとメーカーは説明している。
- 応援購入 — Makuake などで、発売前の製品を先に代金を払って予約する買い方。一般販売より安いことが多い一方、届くまでに時間がかかり、自己都合のキャンセルができないことが多い。
停電が来たとき、冷蔵庫の中身を何時間守れれば、あなたは足りるだろうか?
