デジタル庁は10月2日、Android 端末の Google ウォレットに入れて使う「Androidのマイナンバーカード」を、10月20日に始める予定だと発表した。今ある「Androidスマホ用電子証明書搭載サービス」を刷新し、新たに「属性証明機能」を載せて、店や窓口での本人確認・年齢確認・住民確認にも使えるようにする。
実物のカードを出さずにスマホで済む場面が、行政のオンライン手続きから対面の場へ広がる。ただ、使えるかどうかは自分の端末と、受け取る側の準備の両方で決まる。始まる前に確かめておきたいことを整理した。
すでにできること、10月20日から加わること
Android では、マイナンバーカードの電子証明書をスマホに入れる仕組みが先に動いている。デジタル庁の案内によると、マイナポータルでの薬や医療費・年金の記録の確認、確定申告や引越しなどのオンライン申請、コンビニでの住民票の写しや印鑑登録証明書の取得、準備の整った医療機関や薬局での「マイナ保険証」としての受付が、すでにスマホだけでできる。
10月20日から加わるのは、人と向き合う場面だ。デジタル庁は、リリース以降、官民の各種対面サービスで本人確認、年齢確認、住民確認を簡単かつ確実に受けられるようになると説明している。iPhone では同じ仕組みが2025年6月24日に Apple ウォレットで先に始まっており、Android はおよそ1年4か月遅れで並ぶことになる。
使えるかどうかは、受け取る側でも決まる
デジタル庁は、各サービスで「Androidのマイナンバーカード」の読み取り対応が必要になると明記している。事業者や自治体は、デジタル庁の「マイナンバーカード対面確認アプリ」を無償でダウンロードすれば読み取れるようになるという。裏返せば、10月20日に自分のスマホへ入れても、窓口や店がまだ対応していなければ実物のカードを求められる。
先行した iPhone 版の案内は、使える場所は今後広がる予定だとしたうえで、実物のカードも必ず持つよう呼びかけている。運転免許証の代わりにはならない、とも書いている。Android 版の細かな扱いが同じになるかは、開始時の案内で確かめたい。
銀行や証券の口座開設、携帯電話の申し込み、キャッシュレス決済の申し込みといった民間サービスは「対応予定」とされ、対応状況は各事業者の案内を見るよう求められている。
端末の条件と、なくしたときの手順
使えるのは、一定の基準を満たすセキュリティチップを積んだ Android 端末だ。どの機種が当てはまるかは、10月20日までにデジタル庁のサイトに載る予定になっている。今の電子証明書サービスは200以上の機種に対応しているが、新しいサービスの対象がそれと一致するとは発表されていない。
開始日そのものも確定ではない。デジタル庁は、最終テストでさらに確認が必要になれば予定日が変わることがあるとしている。
カードをスマホに移すと、なくすリスクもスマホに移る。デジタル庁は、マイナンバーカードを入れたスマホを紛失したり盗まれたりしたら、まずマイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178、音声ガイダンス2番、24時間365日)に電話して一時利用停止するよう案内している。スマホをなくした瞬間に、その番号をスマホで調べることはできない。紙の手帳か、家族のスマホに控えておく価値がある。
財布を軽くするか、二つ持つか
答えは暮らし方で分かれる。
- 薬局やコンビニでの証明書取得をよく使うなら、今の電子証明書だけでも手間はかなり減っている
- 店頭の年齢確認や役所の窓口での本人確認を減らしたいなら、よく行く店や役所が読み取りに対応するかが分かれ目になる
- 機種変更の予定があるなら、デジタル庁の「スマートフォンを手放す・機種変更するとき」の手順も一緒に読んでおきたい
- 電池切れや故障に備えて実物のカードを手元に残す運用は、対応先がそろうまで続く
まず開いておきたいのは、デジタル庁の「Androidスマホ用電子証明書搭載サービス」のページだ。10月20日までに、対象となる端末の詳細がここに載る。
ことば
- 属性証明機能 — スマホに入れたマイナンバーカードを、店や窓口での本人確認・年齢確認・住民確認に使えるようにする機能。デジタル庁は「カード代替電磁的記録」とも呼び、Android 版には10月20日から加わる予定だ。
- マイナンバーカード対面確認アプリ — 事業者や自治体のスタッフが、相手のマイナンバーカードを読み取って本人情報を確かめるためのデジタル庁の無償アプリ。iPhone のマイナンバーカードには2025年8月に対応した。
あなたの財布にあるカードのうち、スマホに移したいのはどれで、手元に残しておきたいのはどれだろうか?