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SpAItial の Echo-3、iPhone で撮った部屋を実寸の3Dに

SpAItial が、iPhone で撮った部屋や建物を実寸の3D にする Echo-3 とアプリを公開した。撮れなかった面は AI が補い、作るには課金とクラウドでの処理が要る。

SpAItial の Echo-3、iPhone で撮った部屋を実寸の3Dにのイメージ

この記事でわかること

  • SpAItial の Echo-3 は、iPhone で数分撮った部屋や建物を実寸どおりの3D に再現する。日本の App Store でも配信
  • 撮れなかった面は AI が周りに合わせて埋める。埋めた部分は測った結果ではなく、誤差の数字も示されていない
  • 撮影1分あたり300クレジットの課金があり、スキャンはクラウドで処理される。プライバシーポリシーを先に確かめたい

3D の世界を作る AI を開発する SpAItial は10月27日、iPhone で数分撮るだけで、部屋や建物を実際の寸法どおりの3D 空間に再現する世界モデル「Echo-3」と、撮影用の iPhone アプリを公開した。日本の App Store でも配信されている。

寸法や距離が実際の空間と一致するのが売りで、家具を置く前の確かめや、家の記録に使えそうに見える。ただ、使い続けるには課金が要り、撮った家の中はクラウドに送られて処理される。

撮り逃した面は、AI が周りに合わせて埋める

SpAItial によると、専用のカメラや三脚、長い時間の撮影はいらない。部屋ひとつから、教室や工場、屋外、複数の階にまたがる建物まで撮れるという。仕上がりは寸法が実際の空間と合う3D で、中を歩き回るように見て回れる。

同社は、スマートフォンでさっと撮った映像は必ず欠けると書いている。一瞬しか映らない面があり、まったく映らない面もある。Echo-3 は撮れた部分から場面を組み立て、欠けた部分を周りに合うように埋める。

ここは使い方を左右する点だ。埋めた部分は、撮った映像から推し量って作ったもので、測った結果ではない。寸法の誤差がどれくらいかを示す数字も、今回の発表には載っていない。同社は他社の撮影アプリ3つとの見比べを動画で示しているが、その比較を行ったのも同社自身だ。家具が入るかどうかを決める最後の1センチは、メジャーで測るほうが確かだ。

撮る前に、照明とドアを整える

9月に公開した撮影ガイドは、仕上がりを良くするための手順を細かく書いている。

  • 撮り始める前に照明をつけ、部屋の明るさをそろえる。直射日光と濃い影が隣り合う場所は苦手
  • 複数の部屋を撮るなら、ドアは先に全部開けておく。撮影中に開け閉めすると、仕上がりが乱れる
  • 鏡や大きな窓に注意し、鏡に自分が映り込まないようにする
  • 部屋の角から始め、床と天井は壁との境目に沿って撮る。それぞれの角で立ち止まり、残りの角を見渡す

細かな文字まで残したいなら、近づいてゆっくり撮るとよいという。手順そのものは難しくないが、片付いていない部屋は、そのまま3D に残る。

費用と、家の中のデータの行き先

アプリの入手は無料だが、3D を作るには「クレジット」を使う。App Store の説明によると、撮影1分あたり300クレジットで、1回につき最低900クレジット。月7,500クレジット(撮影25分ぶん)の Standard は私的な利用向けで、月1万5,000クレジット(50分ぶん)の Pro は商用の権利がつく。月額と年額のプランがあり、新しく契約する人は最初の1か月が無料になる。日本の App Store には、アプリ内購入として Standard の8,000円と8万円、Pro の1万5,000円と15万円が並ぶ。

撮ったデータは、まず iPhone に保存され、作るときにクラウドへ送られて処理される。App Store のプライバシーの表示では、利用者に結びつけて集めるデータとして、写真や動画と並んで「環境スキャン」が挙がっている。家の間取りや置いてあるものは、暮らしのかなり深い情報だ。

動かすには iOS 18 以降の iPhone が要る。LiDAR を積んだ Pro の iPhone なら、撮影中に撮り残しを示す案内が出る。それ以外の iPhone でも撮れるが、この案内は出ない。アプリの年齢制限は18歳以上で、言語は英語。Android 版は「近く」としている。

家の記録として残す価値はある。引っ越し前の部屋や、模様替え前の配置を、歩いて見返せる形で残せる。一方で、その記録は月ごとの課金と、外の会社のクラウドの上に置かれる。

撮る前に確かめたいのは、SpAItial のプライバシーポリシーと利用規約だ。送ったスキャンがどこに保存され、どう使われ、自分で消せるのかは、そこに書かれている。

ことば

  • 世界モデル — 世界がどう見え、どう組み立てられているかを学んだ AI。Echo-3 は撮った映像から空間を組み立て、映っていない部分も周りに合わせて補う。
  • LiDAR — 光を当てて跳ね返るまでの時間から、物までの距離を測るセンサー。一部の iPhone の Pro モデルに積まれ、Echo-3 のアプリでは撮影中の撮り残しの案内に使われる。

家の中を実寸の3D で残せるとしたら、あなたはその記録を、誰の手元に置いておきたいだろうか?

参照

あなたの暮らしで、最初に試せることは何でしょうか。