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OpenAI 調査、EU 企業の AI 出力の半分超がエージェント経由に

OpenAI の調査で、EU 企業の法人向け ChatGPT の出力の55%がエージェント型に。数字の範囲と、使い込む企業との差を整理する。

OpenAI 調査、EU 企業の AI 出力の半分超がエージェント経由にのイメージ

この記事でわかること

  • OpenAI によると、EU 企業の法人向けプランの出力のうち9月末に55%がエージェント型だった
  • 利用者200人以下の事業ではエージェント型の週間利用者が5月から8.1倍に増えた
  • 上位10%の企業は一般的な企業の4倍超を使っており、使い込み方の差が広がっている

OpenAI の経済調査チームは10月14日、欧州連合 (EU) の企業での AI の使われ方をまとめた報告書を公開した。EU の企業が ChatGPT の法人向けプランで生み出した出力のうち、9月末には半分を超える55%が、作業を最後まで任せる「エージェント」型の道具によるものだったという。

AI に質問して答えをもらう使い方から、計画から仕上げまでを任せる使い方へ、仕事の中身が移り始めている。その移り方がどこで速く、どこで遅いのか。数字の範囲を確かめながら、働く個人にとっての意味を考える。

「半分超」が指している範囲

報告書の数字は、OpenAI の法人向けプラン (ChatGPT Enterprise と Business) の利用データにもとづく。数えているのは AI が書き出した文章の量 (出力トークン) で、そのうちプログラミング用の Codex と、7月に始まった ChatGPT Work によるものを「エージェント型」としている。

つまりこれは、EU の企業全体の話ではなく、OpenAI の法人向けプランを使う企業の中での割合だ。また、出力の量は、任せた仕事がうまく仕上がったかどうかとは別の物差しになる。EU の統計局 (Eurostat) によれば、従業員10人以上の EU の企業で AI を使っていたのは2025年に20%で、前の年の13.5%から増えたものの、まだ一部にとどまる。

国による差と、小さな事業の伸び

9月の時点で、エージェント型の割合が最も高かったのはリトアニアで85%、最も低かったのはスロベニアで22%だった。人口の少ないキプロス、エストニア、リトアニアで、大きめの企業の利用が目立つという。

小さな事業でも伸びは速い。利用者が200人以下の事業を「中小」として数えると、エージェント型を毎週使う人は、5月第1週から10月第1週までに8.1倍になった。EU のどの国でも5倍を超えている。

使い込む企業との差は広がっている

一方で、報告書は差の広がりも示した。1人あたりの出力量で上位10%に入る企業を「フロンティア企業」と呼ぶと、9月には EU のフロンティア企業は、一般的な EU の企業の4倍を超える量を使っていた。そして EU の外のフロンティア企業は、EU のフロンティア企業のさらに2倍を超えていた。

同社の最高財務責任者サラ・フライヤー氏は、EU にはまだ AI の使い方が伸びる余地が大きいとし、道具と技能と自信を人々に届けることが強い事業につながると述べている。報告書は差を縮めるには、試しの段階を越えること、働く人が技能と自信を持つこと、高度な機能を手ごろにすることの3つが要るとまとめた。

働く個人にとっての意味

数字は欧州のものだが、仕事の変わり方は日本で働く人にも重なる。エージェントに任せる仕事が増えるほど、成果を分けるのは「AI を使うかどうか」ではなく、「どの作業を、どこまで任せ、どこで確かめるか」を決める力になっていく。上位の企業との差が4倍に開いているのは、道具の有無より、この使い込み方の差だと読める。

ただし任せる範囲が広がるほど、出来上がったものを確かめる手間は残る。出力の量が増えたことと、仕事の質が上がったことは同じではない。

確認できる次の点

次に見るのは、OpenAI 経済調査チームの報告書ページ「Europe's Agentic Opportunity」の更新と、Eurostat が毎年出す企業の AI 利用の統計だ。前者は OpenAI 自身のデータ、後者は EU 全体の調査で、2つを並べると「使う企業の中での深まり」と「使う企業の広がり」を分けて追える。

ことば

  • AI エージェント — 指示に答えるだけでなく、計画を立て、必要な操作を続けて実行し、作業を仕上げるところまで担う AI の使い方。今回の報告書では Codex と ChatGPT Work がこれに当たる。
  • 出力トークン — AI が書き出した文章や命令の量を表す単位。報告書はこの量で使われ方を測っているため、作業がうまくいったかどうかまでは示さない。

あなたの今の仕事のうち、AI に最後まで任せてみたい作業と、どうしても自分で確かめたい作業は、それぞれどれだろうか?

参照

あなたの暮らしで、最初に試せることは何でしょうか。