医療関連サービスのメドレーは10月15日、産婦人科向けの業務支援システム「@link (アットリンク)」と患者向けの「アットリンクアプリ」が第三者の不正アクセスを受けたと公表した。10月14日の深夜からサービスを止めている。
患者の個人情報が外部に漏れた可能性があり、対象になりうるのは、最大でアットリンクを使う全787の医療機関だという。漏れたかどうか、どの項目かはまだ調査中だ。通っている産婦人科がこのシステムを使っているなら、当面は予約もアプリも、普段の手順では動かない。
10月11日の情報提供から停止まで
メドレーの適時開示によると、経緯はこうだ。10月11日、外部の専門機関から不正アクセスの可能性があると知らされ、調査して不正アクセスを確かめた。そのあと、医療機関の運営と患者への影響を抑えるための暫定の手当てを整えてから、14日の深夜にアットリンクと周辺サービスを止めた。
影響の範囲について、同社は「患者様等の個人情報が外部に漏えいした可能性」があるとしている。漏えいの有無と、漏れた可能性のある情報の項目、対象になる医療機関は、外部の専門機関と調べている途中だ。787という数は、アットリンクを使っている医療機関の全数で、確定した被害の数ではない。
同社は個人情報保護委員会に報告し、警察にも相談している。サービス再開の見通しは、調査の結果を踏まえてあらためて知らせるという。
止まっているアプリの機能
このシステムが扱っているのは、妊娠と出産にまつわる日々の記録だ。サービスサイトに並ぶ、患者向けに止まっている機能を見るとそれが分かる。
- アットリンクアプリと WEB 予約サイトの利用、デジタル診察券の表示
- 最終月経日の登録と変更、マタニティダイアリーの閲覧
- 超音波検査の録画 (Echo Diary) や出産記念のムービー (DearBaby) の閲覧とダウンロード
- オンライン決済 (クレジットカード払い)、アプリへの通知の閲覧、事前の問診への回答
どの情報が漏れたかは分かっていない。ただ、扱っている情報がこうした性格のものである以上、結果が出るまでの間の構え方は、ふつうの会員サイトの漏えいとは少し違ってくる。
予約は医院へ、アプリのことはメドレーへ
当面の連絡先は二つに分かれる。新しい予約や予約の変更は、予約先の医療機関に直接問い合わせる。医療機関には、予約の一覧を PDF で抜き出して届けているという。一方、アプリについての問い合わせは、医療機関ではなくメドレーの窓口 (問い合わせフォームか専用のメールアドレス) に送ってほしいとしている。
不便なのは、診察券も予約の確認もアプリに頼っていた人だ。受付で名前を伝える、医院に電話するといった、アプリ以前の手順に戻ることになる。超音波の録画を保存しておきたい人は、再開まで待つしかない。
もう一つ気をつけたいのは、通っている医院やアプリを名乗る連絡だ。どの医院の患者かという情報自体が、受け取る側には重い。予約の確認や決済のやり直しを求めるメールや SMS が届いても、そのリンクから入らず、医院に電話するか、アットリンクのサービスサイトのお知らせと突き合わせるのが手堅い。
確認できる次の点
次に見るのは、アットリンクのサービスサイトに出る「最新情報」だ。10月15日16時時点の内容が最新で、漏えいの有無と項目、対象の医療機関が分かったら、ここで知らせるとしている。患者にはアプリのお知らせ機能でも状況を伝えているという。通っている医院が対象に入るかどうかは、その医院からの案内と、このページの両方で確かめることになる。
ことば
- 適時開示 — 上場企業が、投資家の判断に影響する出来事を取引所の仕組みを通じてすぐに公表すること。メドレーは東証プライムの上場企業で、今回の不正アクセスもこの形で知らせた。
- 最終月経日 — 最後の月経が始まった日。産婦人科では妊娠週数や出産予定日を計算する起点になるため、アプリに登録する仕組みがある。
通っている医院の予約や記録を、どこまでアプリに預けておきたいか。あなたは結果が出るまでの間、何を手元に残しておくだろうか?
