OpenAI は10月9日 (米国時間)、ChatGPT の常駐型 AI エージェント「dots」を、iOS と Android の ChatGPT アプリから直接作れるようにした。これまでの入口はデスクトップのアプリかパソコンのブラウザだった。
スマホだけで始められるようになったことで、dots は仕事机の前で設定する道具から、ポケットの中で呼び出す相棒に一歩近づいた。ただ、常に動き続ける AI に何を任せるかは、作る手軽さとは別に決める必要がある。
dots は何をする AI か
OpenAI の説明によると、dot は会話のたびにリセットされる AI ではなく、頼まれた仕事を会話と会話のあいだも進め続けるエージェントだ。クラウド上に自分専用のコンピューターとブラウザを持ち、利用者のパソコンが切れていても調べもの、データの分析、文書づくり、ソフトの開発を続ける。結果や、利用者の判断が要る場面になると向こうから連絡してくる。
今回のスマホ対応では、名前を付ける、見た目を選ぶ、プラグイン (Gmail や Google ドライブなど外部サービスとの接続) をつなぐ、という作成の手順がアプリの中で完結する。ChatGPT を開いたら最初に dot との会話が出るように設定することもできる。同じ週の更新で、dot がプログラミング用の Codex に仕事を頼んで進み具合を追ったり、ChatGPT の定期タスクを見直したりもできるようになった。
使える人と、まだ必要なもの
提供は段階的で、対象のプランでもすぐには表示されないことがある。個人向けでは Pro 100、Pro 200、Pro 500 の各プランで、18歳以上、かつ欧州経済領域・英国・スイス以外の利用者が対象だ。法人向けの Business Premium と Enterprise にも広げている。日本は除外地域に入っていないが、プランが合っていても表示されるまで待つことになりうる。
スマホだけで完結しない部分も残る。自分のパソコンのファイルやアプリを dot に使わせるには、デスクトップの ChatGPT アプリでの接続が要る。つなげるのは個人のパソコン1台までで、dot が使う間はパソコンがネットにつながり、アプリが開いている必要がある。スマホのブラウザからは作ることも話すこともできない。
常に動く AI に渡すもの
dot は、アカウントに影響する操作や情報の共有の前に、そのまま進めてよいか、利用者の承認が要るか、利用者に手を渡すかを判定する仕組みを持つ。Web サイトへのログインが要る場面では、パスワードは会話の外にある専用の入力欄から入れる設計だ。
それでも OpenAI 自身が、dot は間違えることがあり、仕事を止めても、すでに済ませた操作は元に戻らないと書いている。承認の仕組みが使う判定の基準は、OpenAI 側が決めている。OpenAI の説明には、送る前に下書きを見せるよう dot に指示しておく例が挙がっている。自分の線は、自分の指示として最初に書いておくことになる。
次に見るのは、OpenAI の更新情報ページ「What's new」だ。dots の更新はこのページにまとめて載る。日本の Pro 利用者のアカウントに dots が表示され始めるかどうかも、自分のアプリで確かめられる。
ことば
- AI エージェント — 質問に答えるだけでなく、調べもの、文書づくり、外部サービスの操作までを利用者の代わりに進める AI。dots は、頼まれた仕事を会話のあいだも続ける常駐型として作られている。
- Codex — OpenAI のプログラミング用 AI。コードを書き、試し、直す作業を担う。今回の更新で、dot から Codex に仕事を頼み、その進み具合を追えるようになった。
- プラグイン — ChatGPT を Gmail や Google ドライブ、GitHub などの外部サービスにつなぐ仕組み。つないだサービスの権限の範囲でだけ、dot はそのサービスを使える。
常に動き続ける AI を手元に置くとしたら、あなたはまず何を任せ、どこから先は自分で確かめることにするだろうか?


