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Agility の Digit 5、90分働いて9分で充電

Agility Robotics が Digit 5 に Nyobolt の急速充電電池を採用。90分働いて9分で充電、1日20時間以上の稼働設計の意味と、まだ分からない点を整理した。

Agility の Digit 5、90分働いて9分で充電のイメージ

この記事でわかること

  • Digit 5 は90分稼働・9分充電。稼働と充電の比は Digit 4 の2対1から10対1へ
  • 電池は英国 Nyobolt の急速充電技術。容量や寿命の数字は未公表
  • 提供は2027年上半期の早期提供から。まず夜も止まらない物流倉庫が対象

米国の人型ロボット企業 Agility Robotics は10月15日、次世代機 Digit 5 の電池に、英国の Nyobolt の急速充電技術を採用すると発表した。90分働いて9分で充電を終える設計で、働く時間と充電の時間の比は10対1になる。

10月14日にこのサイトで、上場で集める資金を Digit 5 の量産に充てるという同社の発表を取り上げた。今回分かったのは、その Digit 5 が1日のうちどれだけ働けるかという中身だ。

2対1から10対1へ

同社によると、いまの Digit 4 は働く時間と充電の時間の比が2対1だった。1日の3分の1を充電に使っていた計算になる。Digit 5 ではこれが10対1になり、24時間のうち20時間以上を仕事に充てられる設計だという。

90分の稼働と9分の充電を休みなく繰り返すと、単純な計算では1日に約21.8時間働けることになる。実際の現場では、移動や待ち時間、作業の切り替えが入るので、この数字はあくまで設計上の上限に近い。

電池を充電台に置いている時間が短いほど、同じ仕事を回すのに要るロボットの台数は減る。同社の最高事業責任者 Daniel Diez 氏は、稼働している時間こそが顧客にとっての価値だと述べている。

Nyobolt の電池について分かっていること

Nyobolt は2019年に設立された会社で、独自の負極の材料、電池のセルの設計、それを制御する電子回路を組み合わせ、高い出力と急速充電を売りにしている。AI データセンター、ロボット、乗り物を主な用途に挙げる。共同創業者で CEO の Sai Shivareddy 氏は、Digit 5 がより小さく軽い電池でより多くの電力を必要とすることが採用の理由だと説明した。

一方で、発表には電池の化学組成、容量、何回の充電に耐えるかといった数字は書かれていない。急速充電は電池に負担をかけやすく、寿命と安全性をどう両立させたかは、まだ外から確かめられない。同社自身も、将来の見通しに関する注意書きの中で、Nyobolt が Digit 5 の電池の唯一の供給元であることを、供給が滞るリスクとして挙げている。

夜通し動くロボットが入る場所

Digit 5 の提供は、2027年上半期に一部の顧客への早期提供から始まる見込みだ。その後6〜9か月かけて、製造、倉庫、物流の事業者へ広げるという。

1日20時間以上動けるロボットが真っ先に入るのは、夜も止まらない物流倉庫だろう。通販で頼んだ荷物が翌日に届く裏側で、夜の時間帯の作業の一部を、休まずに動くロボットが受け持つ形になる。人の仕事は、ロボットの段取りと、うまくいかなかったときの手当てに移っていく。

家庭に来る話ではまだない。ただ、ロボットが「1日に何時間働けるか」は、導入する側の費用の計算をいちばん大きく左右する数字で、そこが一段動いた。

次に確かめるのは、Agility Robotics の公式サイトのニュース欄だ。同社は上場に向けた Churchill Capital Corp XI との合併を2026年第4四半期に終える見込みとしており、その後の Digit 5 の早期提供の知らせもそこに出る。電池の容量や寿命の数字が公表されるかも、そこで見たい。

ことば

  • 稼働と充電の比 (run-to-charge ratio) — ロボットが働ける時間と、充電に要る時間の比。10対1なら、10分働くごとに1分の充電で済む。比が大きいほど、少ない台数で同じ仕事を回せる。
  • Nyobolt (ナイオボルト) — 2019年設立の電池の会社。独自の負極の材料と電池の設計で、高い出力と短い充電時間を売りにする。今回、Digit 5 の電池の唯一の供給元になった。

夜中の倉庫で荷物を運ぶのがロボットになったとき、あなたが気にかけるのは届く速さだろうか、それともそこで働く人の仕事の変わり方だろうか?

参照

あなたの暮らしで、最初に試せることは何でしょうか。