日本年金機構は10月29日、令和8年(2026年)10月1日に始まった国民年金保険料の育児免除制度を改めて案内した。国民年金の第1号被保険者のうち、1歳までの子を育てる父母の保険料が所得にかかわらず免除され、その期間は保険料を納めたものとして年金額に反映される。
自営業やフリーランス、学生、無職の人など、会社の厚生年金に入っていない親が対象だ。夫婦がともに第1号被保険者なら、2人とも免除を受けられる。ただし、届出が要る人と要らない人がいて、期間の数え方も母と父で違う。
誰が、何か月分の免除になるか
対象は、1歳になるまでの子を養育する第1号被保険者のうち、子の実父母と養父母だ。要件は、子と親子関係があることと、子と同じ住所に住んでいることの2つで、所得の制限はない。特別養子縁組の監護期間にある子や、養子縁組里親に委託されている子なども対象に含まれる。
期間は次のとおり数える。
- 産前産後免除を受けた実母 — 産前産後免除の期間に続く9か月間
- 実父と養父母(産前産後免除がない実母を含む) — 子を養育することになった月から、1歳の誕生日の前月までの最大12か月
機構の例では、令和9年5月1日に生まれた子の場合、父の免除期間は令和9年5月から令和10年4月までになる。
制度が始まる前に生まれ、10月1日時点でまだ1歳になっていない子の親も対象になる。ただし免除になるのは令和8年10月以降の月だけだ。令和8年1月1日生まれの子なら、父の免除は10月から12月の3か月にとどまる。
届出が要る人、要らない人
届出が要らないのは、産前産後免除を受けた実母で、令和8年9月以降にその期間が終わり、子の養育を機構が確認できた人だ。この場合は「国民年金保険料育児免除該当通知書」が届く。
一方、実父と養父母、産前産後免除の届出をしていない実母は、自分で届け出る必要がある。機構が養育を確認できなかった実母には「国民年金保険料の産前産後免除期間終了のお知らせ」が届き、その場合も届出が要る。
届出先は住民登録をしている市区町村の国民年金担当窓口で、郵送もできる。マイナポータルからスマートフォンで電子申請することもできる。期限は明記されておらず、要件を満たした日以降、速やかに届け出るよう求めている。
すでに払った分と、対象外の人
すでに保険料を納めた月や、ほかの免除や納付猶予、学生納付特例が承認された月も、届け出れば育児免除の期間として扱われる。納めた保険料は、ほかの月に充てるか還付される。免除中も付加保険料(月400円)は納められる。口座振替やクレジットカードで前納している人は、免除が終わった後に振替の方法が変わることがあり、年金事務所への確認が案内されている。
対象外の人もいる。会社員や公務員など第2号被保険者は、厚生年金の育児休業等の免除という別の制度の対象になる。その配偶者として扶養に入っている第3号被保険者と、任意加入被保険者は、この制度の対象外だ。
子と別に暮らすようになるなど要件を満たさなくなったときは、終了の届出も要る。子が1歳になって期間が満了した場合は手続きはいらない。
次に見るもの
自分が届出の要る側かどうかは、機構から届く郵便で分かる場合がある。実母であれば、「育児免除該当通知書」と「産前産後免除期間終了のお知らせ」のどちらが届くかを見る。父や養父母は通知を待たずに、市区町村の窓口かマイナポータルで「国民年金産前産後免除該当届/育児免除該当・終了届」を出す。分からないことは、近くの年金事務所か、ねんきん加入者ダイヤルで確かめられる。
ことば
- 第1号被保険者 — 20歳以上60歳未満で、厚生年金にも配偶者の扶養にも入っていない人。自営業、農業、フリーランス、学生、無職の人などで、国民年金の保険料を自分で納める。
- 産前産後免除 — 出産の前後の一定期間、第1号被保険者の母親の国民年金保険料を免除する制度。今回の育児免除は、この期間の後に続く形で母親の免除を延ばす。
あなたの家庭では、父と母のどちらが届出の要る側に当たるだろうか?
