本文へ移動
LIFEMAKERS.COM — 自立型ライフの実践知カタログ
ベータ版
Signal観測テクノロジーと道具FUTURE LIFE BRIEF

Agility の人型ロボット Digit 5、頭脳を NVIDIA IGX Thor に統一

Agility Robotics が人型ロボット Digit 5 の頭脳を NVIDIA IGX Thor に統一する。人のそばで安全に働けることを、どう確かめようとしているのかを読む。

Agility の人型ロボット Digit 5、頭脳を NVIDIA IGX Thor に統一のイメージ

この記事でわかること

  • Agility の Digit 5 は搭載コンピューターを NVIDIA IGX Thor に統一し、一般向けの版では NVIDIA が唯一の供給元に
  • 人の検知に NVIDIA Halos を組み込み、外部の検査を経て第三者の認証へ。早期提供は2027年前半
  • 性能の数字や認証の中身はまだ示されていない

米国の Agility Robotics は10月22日、次世代の人型ロボット Digit 5 の頭脳にあたる搭載コンピューターを、NVIDIA の IGX Thor に統一すると発表した。一般に売り出す版の Digit 5 では、NVIDIA が搭載コンピューターの唯一の供給元になる。

Agility Robotics 発表 10月22日 (IGX Thor への統一・Halos・提供の時期)agilityrobotics.com

2日前の10月20日には、同じ Digit を農機メーカー AGCO のカンザス州の工場で2027年に試験導入すると発表したばかりだ。そちらが「どこで働くか」の話なら、今回は「人のそばで安全に働けると、どう確かめるか」の話になる。

何を NVIDIA にそろえるのか

発表によると、Digit 5 は搭載コンピューターを IGX Thor のモジュールにそろえ、計算の仕組みを一本化する。Agility の最高技術責任者 Pras Velagapudi 氏は、Thor のモジュールへの移行が共通の土台になると述べた。

両社はこれまでも、ロボットや機械に AI を載せるときの安全基盤 NVIDIA Halos で組んできた。Agility は IGX Thor と Halos の追加のモデルを、Digit が人を見分けるための独自の検知システムに組み込むという。NVIDIA でロボティクスを担当する Deepu Talla 氏は、人型ロボットを商用の規模に持っていくには、AI の計算と安全を一緒に設計する必要があると述べている。

第三者の認証はまだ先

安全の確認は、まだ途中の段階にある。Agility は NVIDIA の Halos AI Systems Inspection Lab に参加し、Digit の安全に関わるソフトや AI の部品、サイバー攻撃への備えを評価してもらう。そのあとに、最終的な第三者の認証が控えている。

日程も示された。早期提供は2027年前半に始まり、その後6〜9か月かけて広く行き渡らせる。発表の将来見通しの部分では、2027年末までの一般提供にも触れている。AGCO の工場での試験が始まるのも2027年で、時期は重なる。

一方で、持ち上げられる重さや1回の充電で動ける時間といった性能は、今回の発表には書かれていない。対象の顧客として挙がっているのは製造、倉庫、物流の現場で、具体的な社名は出ていない。

隣で働く側にとっての意味

人型ロボットが工場や倉庫に入るとき、働く人が最初に気にするのは、隣で動いて危なくないかだろう。今回の発表は、その答えを「搭載コンピューターと人の検知の仕組みを一緒に作り、外部の検査と第三者の認証を通す」という手順で出そうとしている。

ただ、認証が取れても、それがどの作業、どの距離、どの速さでの安全を保証するのかは、中身を見ないと分からない。頭脳を1社にそろえることは、開発を速める一方で、部品の供給や値段をその1社の事情に預けることにもなる。

次に確かめたいのは、2027年前半の早期提供が始まる時点で、Agility のニュースページに第三者の認証の結果と、Digit 5 の性能の数字が示されるかどうかだ。

ことば

  • 搭載コンピューター — ロボットの体の中にあり、カメラなどの情報を読み取って動きを決める計算機。ここが速いほど、外の計算機に頼らずその場で判断できる。
  • 第三者の認証 — 作った会社とは別の機関が、決められた基準を満たすかを調べて認めること。人のそばで動く機械では、導入する側が判断の根拠にすることが多い。

ロボットと同じ現場で働くとしたら、あなたはどんな証明があれば隣に立てるだろうか?

参照

あなたの暮らしで、最初に試せることは何でしょうか。