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テスラの監視付き FSD、EU の承認国が8か国に

テスラの FSD(監視付き)が EU の 8 か国で承認された。RDW は「自動運転ではない」と明記し、運転者の責任と注意の監視を条件にしている。車内 Grok の用事代行と合わせ、クルマに何を任せるかを考える。

テスラの監視付き FSD、EU の承認国が8か国にのイメージ

この記事でわかること

  • テスラの FSD(監視付き)は EU の 8 か国で承認済み。EU 全域の採決は早くても 12 月
  • RDW は自動運転ではないと明記し、運転者の責任と目・手の監視を条件にしている
  • 日本はテスラ日本法人が 2026 年中の実装を目指す段階で、国交省の個別判断が要る

テスラは米国時間 9 月 29 日、運転支援機能「FSD(監視付き)」が EU の 8 か国で承認されたと公式 X で明らかにした。報道によれば、同じ日に欧州向けアカウントが 8 か国目となるクロアチアでの承認を伝え、提供は近く始めるとしている。

クルマに運転の一部を任せられる国が、欧州で一つずつ増えている。ただし、任せられる中身は名前から受ける印象よりずっと狭い。

8 か国の顔ぶれと、承認の広がり方

報道によれば、承認の順はオランダ(4 月)、リトアニアとエストニア(5 月)、デンマークとベルギー(6 月)、そして 9 月のスロベニア、チェコ、クロアチアだ。起点はオランダの車両当局 RDW が 4 月 10 日に出した型式認可で、ほかの国はこれを国ごとに受け入れてきた。

EU 全体で使えるようにするには、加盟国が委員会で採決する必要がある。electrive によれば、10 月 6 日に見込まれていた採決は議題が「議論の継続」にとどまり、早くても 12 月にずれ込む。可決には 27 か国中 15 か国以上、かつ EU 人口の 65% 以上の賛成が要る。フランス、ドイツ、イタリア、スペインはまだ受け入れておらず、スウェーデンは制限速度を超える設定ができる点を問題にしているという。

RDW が書いた「監視付き」の条件

RDW は認可の説明で、FSD(監視付き)を載せたクルマは自動運転ではないと明記している。運転者が責任を負い、常に操作の主導権を持ち続けなければならない。ハンドルから手を離してよい場面はあるが、必要なときにすぐ引き継げることが条件で、目と手の状態をセンサーが見張り、注意がそれると警告を出す。

実績の数字もある。RDW は 6 月 17 日、オランダで約 4 万台が約 2,400 万 km を走り、関連する事故は起きていないとした。そのうえで、テスラに課す報告の頻度を年 1 回から月 1 回に上げた。任せる範囲が広がるほど、見張りの目も細かくなる。

車内の Grok が引き受ける用事

その 1 週間前の 9 月 22 日、テスラは車内の AI アシスタント Grok が外部サービスとつなぐ Connectors を使えるようになったと発表した。受信箱の整理や予定表の片づけを、手を使わずに頼めるという。

一台のクルマの中に、道路を見る AI と、用事を片づける AI が同居し始めた。

ただ、二つを同時に使う場面では、運転者の注意は分かれる。FSD(監視付き)は、運転者が道路から目を離さないことを前提に成り立っている。用事を声で頼むのに手は要らないとしても、頼んだ中身を確かめる時間はどこかで必要になる。

日本の道路に来るまで

日本ではまだ使えない。ITmedia NEWS によれば、テスラ日本法人の橋本理智社長は 2026 年中の実装を目指すとしている。国内では特定改造の許可が前提になり、配信や走行を認めるかは国土交通省が個別に判断する。

欧州でも、使える条件は絞られている。報道によれば、当初の提供は新しい世代のハードウェア(HW4)を載せた車に限られ、古い HW3 の車は対象外だ。持っているクルマの世代、住んでいる国、そして運転中も道路から目を離さない前提を受け入れられるか。この三つがそろって、初めて「任せる」が始まる。

確認できる次の一点は、早ければ 12 月に開かれる EU の自動車技術委員会(TCMV)の議題だ。そこに採決が載るかどうかで、欧州の地図が一度に塗り替わるか、国ごとの積み上げが続くかが決まる。

ことば

  • FSD(監視付き)— テスラの運転支援機能 Full Self-Driving (Supervised)。複数の運転操作を機械が担うが、運転者が常に見張り、責任を負うことが前提になる。当局の位置づけは運転支援で、自動運転ではない。
  • 型式認可 — 車や部品が安全基準を満たすと当局が認める手続き。EU では、一国の認可を他の国が個別に受け入れる形と、加盟国の採決で全域に広げる形がある。
  • Connectors — 車内の Grok を、メールや予定表などの外部サービスにつなぐ仕組み。声で頼んだ用事を、AI が受信箱や予定表に直接反映できるようになる。

運転と用事、あなたならクルマにどちらを先に任せるだろうか?

参照

あなたの暮らしで、最初に試せることは何でしょうか。