Google は10月28日、新しい最上位の AI モデル「Gemini 4 Carbon」を発表した。何日も続く長い作業とサイバーセキュリティで最高水準の性能をうたうが、最初に使えるのは一部のサイバー防御の担当者だけで、開発者や企業、一般の利用者に届く時期は示されていない。
個人に長い作業を任せられる AI が近づいた一方で、その入口はまず守る側の専門家に限られた。手元のアプリで使えるようになる日を待つあいだに、何を任せたいかを考えておける話だ。
何日も作業を続けるモデル
Google DeepMind の Koray Kavukcuoglu 氏の名前で出た発表によると、Carbon は2週間前に公開した Gemini 4 Argon を土台にしたモデルだ。難しく長い時間のかかる開発の課題に取り組むよう設計され、何段階にもわたる作業を続けて進める使い方を想定している。
社内のチームでは、Carbon が何日も動き続け、行き詰まりを抜けながら作業を進める様子が見られたという。例として挙げるのは、大きなプログラムの中で不具合の原因を突き止め、修正するところまでやる仕事だ。モデルの総合力を比べる指標 Artificial Analysis Intelligence Index の最新版 v5.0 では、59点で首位になったとしている。
先に渡る相手は、サイバー防御の担当者
Carbon の公開は段階を踏む。発表の週から、まず一部のサイバー防御の担当者が使えるようにし、その後 Google の早期提供の枠組み Fairwind Program を通じて、信頼できる提携先へ少しずつ広げるという。
この順番は、セキュリティの能力の高さと裏表にある。ソフトの弱点を見つけて直せる力は、攻撃に使えば弱点を突く力にもなる。Google は米国政府が任意で行う公開前のモデル試験の手続きにも参加しているとし、意見を集めて安全のための制限を詰めたうえで、開発者、企業、一般の利用者へ「できるだけ早く」届けるとしている。
個人に届く日までに見ておきたいこと
すでに公開されているのは、土台になった Argon のほうだ。Carbon がいつ、Gemini のアプリなどどの窓口から使えるようになるかは、発表に書かれていない。
開発者向けの料金は示されている。最初の期間は入力100万トークンあたり2ドル、出力100万トークンあたり10ドルで、Argon の導入時と同じ水準だ。期間が終わると、それぞれ4ドルと20ドルに上がる。何日も動き続ける作業はそれだけ多くのトークンを使うので、長く任せるほど費用もかさむ。
任せ方にも条件がある。何日も自分で進める AI は、途中で方向を誤ったまま作業を重ねることもありうる。長い仕事を渡すほど、終わったあとに何をどう確かめるかを人の側で決めておく必要がある。
次に確かめたいのは、Google の公式ブログや Gemini のアプリの告知で、Carbon が開発者や一般の利用者に開かれる時期と、そのときの窓口だ。
ことば
- 長い作業(long-horizon) — 一度の質問と答えで終わらず、計画を立て、試し、失敗をやり直しながら、何時間から何日もかけて一つの目標に向かう作業。AI に任せる範囲が広がるほど、結果を確かめる手間も増える。
- トークン — AI が文章を処理するときの単位で、料金もこの数で決まる。読み書きする文章の量におおむね比例し、長く動かすほど使う量が増える。
何日も続けて任せられる AI が手元に来たら、あなたは最初にどんな仕事を渡すだろうか?
